外壁工事の現場調査

外装リフォームの教科書 Vol.3

外壁工事の現場調査

外壁リフォームのきっかけは、定期的なメンテナンスの他に「藻がついて汚い」「雨漏れがあって」とさまざまです。しかし外壁の不具合はこのようにはっきりとわかるものばかりではありません。そこで必要とされるのが「プロの目」。チェックポイントを押さえて現場調査に臨みましょう。



【現場調査はなぜ必要?】

図面は現場調査の作業を効率よく行い、見積作業で寸法を確認をするためにも重要だが、あくまで資料に過ぎない。実際の建物と相違することもあるので、図面があっても実測は必要だ。現場調査は建物の劣化状況や寸法の確認以外にも周囲の状況を確認する目的がある。正確な見積もりを出すためにも、実際に工事することをイメージしながら問題点をチェックするようにしよう。


・希望の工事が行えるかどうかを確認する

例えば塗装を予定していても、外壁の状態によって塗装を勧められない場合もある

・不具合の確認

不具合を見逃すと雨漏れなどの問題を起こす。追加見積が出ないように現場調査でチェックする。

・立地の確認

足場組みスペース、工事車両の駐車スペースの他、地域による注意点

…例 塩害地域で雨戸など鉄部に腐食がある



【現場で確認するポイント】

1 建物の間口と奥行、四方の高さの寸法と塗装しない開口部の寸法及び4面の写真撮影。

2 足場スペースを確認(600mm以上)。無い場合は隣家に越境の可能性有。

3 カーポート屋根の有無。足場立てで屋根材の脱着が必要かどうか確認する。

4 資材や廃棄物の置き場確認(例工事中に施主の車の移動が可能なら車庫に)。

5 サイディング材の通気状態を確認する時は基礎上の水切り部分から。



【外壁調査でよく使う道具】

外壁の劣化状況を数値で表して診断報告書にまとめると、施主にもわかりやすい。そこで、あると便利な道具をピックアップ。


白亜化測定用テープ

塗膜が劣化すると白亜化して手で触ると粉が付く(チョーキング)が、その粉を採取して量を確認する


クラックスケール

モルタルやサイディングのクラック(ひび割れ)の幅を測る道具。外壁材の補修方法を判断するためにも重要なアイテム。


打診棒

外壁に当ててなぞるように動かして音を確認する。浮きや反りを見つける時に役立つ。力を入れ過ぎないように注意しよう。


水分測定器

外壁がどのくらい水分を含んでいるかを測定する時に役立つ。水分の含有量を数値で表すことができる。


ルーペ

細かいクラックやシーリングの切れなど、小さい部分を確認する特に便利。拡大して写真を撮ることもできる。



リフォマガ2020年11月号掲載

 

 

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