外装リフォームの教科書 Vol.14-1
外装リフォーム クレーム防止のポイント 1
外装工事は近隣を巻き込む大がかりな工事です。ちょっとした連絡ミスで多くの人に迷惑をかけてしまうこともあります。クレームは自然発生するものではなく、なんらかの原因があるはず。苦情につながる原因を分析してなぜそうなったのかを理解することが重要です。迅速かつ的確なクレーム対応はお客様の心を動かします。ピンチをチャンスに変えて、更なる信頼につなげていきましょう。
外装工事ではこんなクレームが・・・
お客様が生活されている中で行う外装工事は、工事をする側は勿論のこと、お客様の方も気遣いが多いもの。例えば天気が良いのに職人が来ないと心配になったり、また予定時間より早くから足場を建て始めたら近所に迷惑になると心配かもしれない。クレームを回避するためには、お客様に不安を与えないようなフォローをすることが大切だ。ここでは外装工事に多いクレーム事例をもとに、どうしたら防げるか、考えてみよう。
時間になっても来ない
クレームで多いのは時間に関することだ。時間にルーズだったり、曖昧な時間の伝え方をしてお客様を待たせてしまうと、それだけで不信感を買ってしまう。また工事中は「時間になっても職人が来ない」という問い合わせが入ることもある。特に注意したいのは足場工事の時間だ。朝から入るとは限らず、他の現場とのからみで午後からになることも多いので、日にちだけを伝えていると近隣にも迷惑をかけることになりかねない。
《クレーム防止のポイント》
職人と密に連絡
外装工事は天気に左右される工事のため、お客様は「今日は予定通り入るのかしら」などと落ち着かない気持ちでいることを理解したい。天候による工事の延期や、交通渋滞などで時間が遅れる等の連絡は予定時刻の前にするのが鉄則。そのためにも職人と密に連絡を取り合うようにしよう。
時間を曖昧にしない
「朝行きます」などと曖昧な時間の伝え方をしないこと。朝と言われると8~9時位までを想定されることが多く、10時を過ぎると「朝来ると言ったのに」ということになる。10時過ぎになりそうなら「10時を少し過ぎますが」とはっきりした時間を伝えることが大事。
連絡不足
外部工事とはいえ、在宅で行う工事は1日工程がズレただけでもお客様の生活に支障を来すので、連絡を怠らないよう注意しよう。例えば連絡もなく予定通りに窓の養生が取れなかったとしたら、お客様は「いったいいつまで窓が開けられないんだ」と苛立つことだろう。近隣への連絡ミスも大きなクレームにつながりかねない。特に隣家の車を養生する日の連絡などは確実に行う必要がある。
また、工程がずれこむことで職人への連絡ミスがあった場合、職人の手を確保するのが難しくなり、途中で工事にぽっかりと穴があいてしまうことも。お客様から「久しぶりに天気がいいのになぜ工事が出来ないの?」と言われてしまう残念な結果になるだろう。
《クレーム防止のポイント》
工程変更はその都度提出
工程変更があればその都度工程表を修正してお客様に連絡する。関係者全員が修正後の工程表を共有することがポイントだ。メールで変更内容を伝える場合も、電話を入れて確実に伝えるようにしよう。
進捗状況をマメに伝える
「本日の工事は…明日の工事は…」と、進捗状況を伝えよう。工事中の写真を見せて説明するとわかりやすい。職人が帰りの挨拶をする時に報告することもあるだろうが、その場合も内容を把握して、お客様の質問に答えられるようにしよう。
マナーが悪い
職人や営業担当者といった「人」に関するクレームは、直接本人に注意しにくいため、会社に連絡が入るケースが多いようだ。具体的には「現場でタバコを吸っている」「車が邪魔だ」といったマナーの問題や、「担当者に連絡がつかない」「担当者が全く現場を見に来ない」といったコミュニケーションの問題等々。特に外装工事は近隣からの注目を集めやすいため、マナーには十分注意したい。
《クレーム防止のポイント》
職人とのコミュニケーション
喫煙マナーが浸透した今では、職人は工事の休憩時間に車内やコンビニの喫煙コーナーで一服しているようだ。職人とコミュニケーションをとり、喫煙ルールや車の置き場所、工事前後の挨拶などを事前に打ち合わせするようにしたい。
自身のマナーにも注意
工事中は職人の車を置くだけで精一杯なのに、更に担当者の車を止めると近隣の迷惑になりかねない。コインパーキングを利用するなどの配慮が必要だ。また、電話に出られない時でも携帯の電源を切らずに留守電にして、お客様からの連絡をいつでもキャッチできるようにしよう。
リフォマガ2021年10月号掲載
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