外装リフォーム クレーム防止のポイント 2

外装リフォームの教科書 Vol.14-2

外装リフォーム クレーム防止のポイント 2

外装工事は近隣を巻き込む大がかりな工事です。ちょっとした連絡ミスで多くの人に迷惑をかけてしまうこともあります。クレームは自然発生するものではなく、なんらかの原因があるはず。苦情につながる原因を分析してなぜそうなったのかを理解することが重要です。迅速かつ的確なクレーム対応はお客様の心を動かします。ピンチをチャンスに変えて、更なる信頼につなげていきましょう。



外装工事ではこんなクレームが・・・

お客様が生活されている中で行う外装工事は、工事をする側は勿論のこと、お客様の方も気遣いが多いもの。例えば天気が良いのに職人が来ないと心配になったり、また予定時間より早くから足場を建て始めたら近所に迷惑になると心配かもしれない。クレームを回避するためには、お客様に不安を与えないようなフォローをすることが大切だ。ここでは外装工事に多いクレーム事例をもとに、どうしたら防げるか、考えてみよう。



「言った」「言わない」


言葉だけのやりとりだけでは、言ったはず、いや聞いていないというトラブルに発展してしまう。工事が始まってからこのようなやりとりが行われた場合、工事を途中で中断する事態にもなりかねない。その他「ここは塗装できない」と言ったことを「塗装できる」とお客様が聞き間違いをしている場合も、口で説明するだけではなかなか理解してもらえないだろう。両者の考えていることにズレがあるまま工事を見切り発車させることは避けなければならない。


《クレーム防止のポイント》

打ち合わせ記録に捺印を

打ち合わせ記録に、例え小さいことでも話し合ったことは記録し、内容に漏れが無いかを確認した上で捺印をもらうようにしよう。お客様に直接会うことができない場合でも、メールのやりとりで書面として残すようにする。また契約後に変更点や追加工事を請ける時は、着工前に見積もりを提出して追加変更の契約を結ぼう。更に着工前打ち合わせをして、工事内容や施工範囲などについての認識を共有するようにしよう。



イメージと違う

外装の改修工事のように施工面積が広い工事では、目の錯覚により起こりやすい問題がある。色の見え方やデザインの柄が、小さなサンプルで見るのとは違うように見えるという問題だ。「思ったよりも色が明るい」「イメージしていたほど柄がはっきりしていない」とお客様から指摘され、品番を間違えたのではないかと慌てないようにしたい。またカタログの写真と実際の色味に違いがあることや、家の形状によっても建材の印象が違う点にも注意が必要だ。


《クレーム防止のポイント》

説明不足が原因のことも

色や柄を選ぶ時の説明不足がクレームの原因となる場合が多い。「サンプルのように小さい面積で見るのと大きな面積で見るのでは見え方に違いがあります」「印刷物と実際の色は少し異なります」といった説明をすることが大事。また晴れの日と曇りの日、屋外と屋内、照明の色の違いで見え方が違う点にも注意を。


着工前にイメージを共有

工事内容をお客様と最終的に確認して、食い違いを防ぐことがポイント。最終図面と実際の建物を照らし合わせながら、各所に使う色や施工範囲をチェックする。塗装の場合は実際に塗るサンプルの塗料があれば、陽あたりの良い場所と日陰の場所で試し塗りをして確認することもできる。



建物や庭木への損傷

足場を建てる際に支障があるからといって、勝手に庭木の枝を切るのはNGだ。支障がありそうなら、最終確認のときに「束ねられなければ切ってもよろしいでしょうか」と承諾をもらう必要がある。また「工事中に照明器具が壊れた」「タイルにヒビが入った」「建物の出隅に物を当てた跡がある」など、足場を建てる工事では破損被害についての連絡がはいることもある。


《クレーム防止のポイント》

破損個所の事前確認

工事前からの損傷は事前にチェックし、写真を撮っておくようにしよう。お客様と着工前の確認をする時に、破損箇所を一緒に見てもらい、「ここはこのまま残ります」と伝える。また工事中は照明器具や防犯カメラなどの突起物の所在がわかるように、工事図面に位置を書き込むなどの工夫を。万が一破損した場合は、職人から速やかに連絡を受けられる体制をとることが大切だ。お客様から連絡を受けて初めて知ったということが無いようにしたい。



リフォマガ2021年10月号掲載



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