ITとアナログを使い分け 現場管理を超効率化!

納期遅れ&トラブルゼロの現場のダンドリ

職人からの問い合わせや施主のクレームなどで、着工後に現場が滞ることは多く、工事がスムーズに運ぶか否かは、担当営業や現場監督の事前の段取りにかかっていると言ってもいい。また、ここ数年で多くのリフォーム会社が施工管理アプリを採用し、電話やFAXが当たり前だった現場管理の手法も様変わりしつつある。最新事情と共に、トラブルの少ない営業マンたちが、どのように現場づくりを行っているかに迫った。



ITとアナログを使い分け 現場管理を超効率化!

6年前に施工管理アプリ「ダンドリワーク」を導入して、顧客や現場、発注の一括管理を始める。3年前にウェブやLINEを活用した見積もりを開始し、1年前にはオンライン契約を本格化させた。業務効率化で余裕が生まれ、プラン作成や施主対応に力を注げているというリライトの手法に迫る。



効率化を下支えしている職人の盤石な協力体制

施主から聞かれがちな疑問を集めた「工事前案内書」を渡し、「公式LINEアカウント」で定期的な情報共有を行って細かい問い合わせを減らす。「施工管理アプリ」で顧客も現場も受発注も一括管理し、現場に携わるすべての人に瞬時に情報共有を行うなど、抜本的な改革を行って煩雑な業務を激減させたのが、滋賀県草津市の「リライト」だ。

職人のスケジュール管理もアプリ上で行うが、他社の現場日程まで全職人が書き込んでくれるという協力体制を築けている。これもリライトが、現場を円滑に進めるためにアナログのコミュニケーションを大切にしているからこそなせること。「誰に対しても、できる限り情報共有をする」というのがコツだと、南草津店の馬杉充宏店長は話す。

工事内容は総額まで職人に共有。施主がその工事にいくら払っているかを知るだけで向き合い方が違ってくるからだ。また、施主と職人の関係性を良くするために、互いの共通点なども積極的に知らせる。例えば、職業が警察官の施主には、職人の父親が警察官だと伝えたことで一気に距離が縮まり、現場が和やかに進行したという。

現場進行中はLINEで施主に毎日報告をし、ポイントを絞って現場に出向く。合間に施主の意見を伝達してくれるのも毎日出入りしている職人たちだ。施主、職人と良好な関係を築いたうえで、初めて現場の効率化は成り立つのだ。



《効率化 1》「工事前案内書」で施主の疑問に先回りして回答!

現場が始まると頻繁に聞かれる「あるある」の質問を一網打尽にする

事前にしっかりと打ち合わせをしていても、いざ現場が始まると、施主は様々な疑問が湧いてきて、「これってどうなの?」と尋ねてくるもの。そのたびに電話やメールで答えるのは大変。そこでリライトでは、施主目線の「あるある」の疑問集を作成。着工前に渡すことで質問を激減させた。


《効率化 2》「施工管理アプリ」で顧客も現場も受発注も一括管理!

電話やFAXを使わずに現場管理ができる!

6年前に顧客や現場、受発注などを「ダンドリワーク」で一本化して管理し始めた。現場に携わる職人やメーカー担当者など全員が参加しており、受発注機能で電話やFAXを使用せずに、各業者へ見積もりが依頼できる。アプリで工程表を作成すると関係者全員に自動通知もしてくれる。

▲施工管理アプリ「ダンドリワーク」は、建築現場における情報共有をクラウド上で行うコミュニケーションツール。現場に携わる人全員に瞬時に情報共有ができ、資料はアプリ上で見られるので手ぶらで現場に行ける


《効率化 3》「公式LINEアカウント」でもれなく打ち合わせ!

施主が内容を見返せるため「うっかり忘れ」が減る

施主との仕様の打ち合わせや、現場進行中の報告などはリライトの公式アカウントを用いてLINEで行う。「テキストとして証拠が残りますし、決めてくださいと頼んだことも施主が後で見返せるので、忘れられてしまうことが少ないです」(馬杉さん)。


《効率化 4》「工事完了確認書兼請求書兼保証書」を使用!

合体させた書類を渡せば打ち合わせが1回減る

工事が終わると、「工事完了確認書」と「請求書」を合体させた書類を渡す。「完了確認書を渡して、後日に請求書だと2回打ち合わせが必要になるので、一緒にしてしまった」と馬杉さん。工事内容ごとに保証期間を明記して保証書も兼ねる。


《効率化 5》「オンライン契約」の活用!

1年前に導入し契約率は7割に

リライトでは1年前から、メールで契約内容を送って承認してもらう仕組みの、電子契約サービス「クラウドサイン」を活用している。既に契約の7割がオンライン契約になっている。


《効率化 6》外回りの現地調査に「ドローン」を活用!

真上からの写真が証拠になる

外回りはドローンを飛ばして確認する。

1 物珍しいので施主や近隣住民に受けがよく、工事に入りやすい。

2 着工前に真上から写真が撮れ、施工時の屋根破損を疑われた時などに証拠になる

といったメリットがある。



お話をうかがったのは…

▲リライト(滋賀県草津市)南草津店店長 馬杉充宏さん

建築業界で職人として4年間働いたのち、ワーキングホリデーで海外へ行き、ツアーガイドや外構工事にかかわる。帰国後にその経験を生かしてリフォーム営業に。職人と一緒に現場作業をすることで、信頼を得ている。リライトは業務効率化を進めて、失注コストを減らすことにも成功した。



リフォマガ2021年3月号掲載



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