着工前に何をしておけば安心なのか、工程組み&職人手配のポイントや、発注と納品のコツは?また、現場以外にも多数の案件を抱える営業マンたちは、現場進行中にどんな動きをしているのか。さらに、クレームが発生した時にはいかに収めているのか。各社で活躍中の営業マンたちに聞いた。
《03 発注&納品手配》
早め手配で納品の融通が利く。詳細確認して発注は正確に
1月10日の「超効率化」記事で紹介したリライトの馬杉さんは、商品を使用する時に、職人が受け取れるタイミングで細かく日時指定をかけるという。「極力煩わせたくないので、どうしてもという時だけ顧客に受け取りをお願いします」。そのためにも、早め発注で融通を利かせてもらうことが大事だという。
他方で、サイズ違いなどの発注ミスも避けたいところ。「着工してから最終確認し発注をかける」というのは鳥羽さん。ただし、急ぎの場合は契約して即発注など、臨機応変に対応する。
山口県下関市に会社を置くサン・リフォームの中村さんは、「土地柄、置き場所に余裕があるので大型のものは当日朝納品、細かいものはあらかじめ決めた場所に早め納品にしてもらう」と、その地域の特性によってベストな対応は変わってくる。
《04 現場進行中》
こまめな確認を取りミスを防いで現場を円滑に回す
着工前日に施主と各業者に連絡を取り、工程表や図面類を最終確認して、いよいよ工事がスタート!
中村さんは、工事が終了する17時〜18時頃に毎日欠かさず施主に電話する。気を配るのは現場でゴミがきれいに片付けられているか。変更や追加したいことがないかも聞き出す。「クレームや二度手間の芽をつぶします」。清掃や職人の態度など、施主が気にしている点は次の日には改善させる。
ある程度大工工事が終わったところで、カウンターの高さやキッチンの位置などを、コンパネなどで距離感を実際に確認してもらって微調整を行うのは松本さん。「なるべく見てもらう」をモットーに「解体後検査」、「中間検査」、竣工後の「自主検査」の3回、施主に立ち会ってもらうのは鳥羽さん。対応は必ず2名で行い、1人は話し役、1人はメモ係という徹底ぶりだ。
《05 トラブル対応&回避術》
クレームゼロにはならない。いかに誠意を見せるか
中村さんは常時担当現場を10件近く抱えているが、1日置きには足を運ぶ。30㎞圏内と担当地域も広いが、「午前中に方面を合わせて一気に4、5軒を回ります」。施主や職人、近隣住民と密なコミュニケーションを取って、円滑に現場を回す。
現場進行中は、毎日の進捗を楽しむ人も、不安が募る人もいる。感じ方は人それぞれなので、「何かあったらすぐに連絡をください」と伝えているという鳥羽さん。「クレームゼロにはならない。いかに誠意を見せるかが大事」と話す。連絡を受けたら駆け付けて、やり直しをする場合は、すぐには対応できなくても、スケジュールを明確に示すことで安心してもらう。
例えば、「クロスの貼り方が汚い」というクレームで貼り直す時には、施主に立ち会ってもらい同席する。職人との間を取り持ちながら、「前はこういうやり方が良くなかったので、今回こうしているんですよ」と説明して不信感を取り除く。職人の気分も害さないように、いかに現場の潤滑油になるかが、営業の腕の見せ所だ。
お話をうかがったのは…
▲アドバンス(本社/愛媛県新居浜市)今治店 松本義純さん
大工として7年間働いた後、アドバンスに営業職として入社し11年目になる。一気通貫体制の中で、現場知識と技術を兼ね備えたリフォーム営業として活躍中だ。
▲キタセツ(東京都大田区)営業本部/Moreform部 部長 鳥羽克夫さん
30周年を迎えたキタセツで入社29年目の大ベテラン。キッチン取り付けなどの工事担当を10年、工事部責任者を経て、リフォーム営業に。6年ほど前から営業部責任者も兼ねる。
▲サン・リフォーム(本社/山口県下関市) 営業・施工管理担当 中村 武広さん
大学と建築系専門学校を出て、リフォーム営業5年目の29歳。3年間他社で修業を積み、2年前に父親が社長を務めるサン・リフォームに入社した。スピード感のある対応がモットーだ。
リフォマガ2021年3月号掲載
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