工事のストレスやトラブルのない現場こそ、職人のモチベーションも上がり、結果品質向上になる。そんな理想の現場のつくり方を、現場監督のプロたちに聞いた。
《工事中・工事後》
次につなげるフィードバックを!
工事がはじまってから営業が現場で実務をすることは少ないが、品質管理では気を配っておきたい。良い職人と長く付き合っていくためには、現場環境の改善、フィードバックは不可欠だ。
細かい場所は立ち合いを依頼
事前に決めていても、コンセントの高さ、手すり位置など現場で見ないと使い勝手がわからないものは立ち会ってもらうのも手だ。思っていたのと違う、を防げる。
「在宅の場合は、事前の打ち合わせの時に『細かいところは取り付ける時にお声がけしますね』とあらかじめ伝えておくとスムーズですよ。」(さくら住宅 小林さん)
解体後は全案件必ず打ち合わせ
解体してみて梁が現れたなど、イメージパースにはなかった部分が出現することもある。必ず解体後は営業も立ち会ってイメージパースと違いが出ないか確認しながら打ち合わせをする。イレギュラー事態でも、施主への説明は営業から。商談からの一貫性を持たせられる。(ファミリー工房 逆瀬川さん 澄川さん)
完了チェックの肝は施主目線
まずはプランナーと施工担当が、それぞれバラバラに確認し、気になったところにマステを貼っていきます。最後は品質管理部が、施主目線で最終チェック。弊社はマンションの買取再販なので、その場にお客様がいない代わりに、この最終チェックがとても重要です。(リノステージ 田上さん)
職人が気持ちよく働ける現場に
営業が職人に対し、例えば挨拶をしない、返答が遅いなど粗雑な対応をしていると、職人の仕事へのモチベーションが低下し、結果施工が雑になり、仕上がりのクオリティに影響する。反対に、信頼関係が築けていて気持ちよく働ける環境であれば、職人の品質へのモチベーションも向上する。
「例えば大工さんがきれいに仕上げてくれたら、次の建具屋さんも『自分もきれいにしよう』という意識になり、同じような良い連鎖が生まれます。そして、私達が『クロス屋さんが、仕上がりがすごくきれいだと言っていましたよ』と良いことをフィードバックすると、喜んでくれてそれがまたやる気に繋がり、品質向上につながります。」(リノステージ 田上さん)
「完了チェックで問題が指摘された箇所は、必ず担当した職人さんにも内容をフィードバック。これを繰り返すことで、職人の品質レベルとこちらの求める品質レベルが次第に合致していきます。」(リノステージ 田上さん)
お話をうかがったのは…
さくら住宅(神奈川県横浜市)工事部 部長 小林怜史さん
リノステージ(東京都文京区)施工部 部長 田上勝也さん
ファミリー工房(東京都足立区)品質管理室 室長 澄川智章さん、取締役 逆瀬川幸生さん
リフォマガ2023年5月号掲載
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