施工品質アップテク20~1つのデジタルツールに慣れた職人は複数ツールを使い始める

顧客満足度を高め、リピートにつなげるために重要となってくるのが「施工品質」だ。

「どのような頻度で現場に顔を出すのか」「現場に行った際に気を付けるべき点」

「職人たちとのコミュニケーション術」「よくある落とし穴の回避法」等々。

現場管理の達人を取材し、すぐに取り入れられるようなテクニックを大小含めて20個紹介する。



1つのデジタルツールに慣れた職人は複数ツールを使い始める

360度VR化で現地と同等の管理を叶える

平林建設と対照的に、極力現場に行かずに現場管理を行うのがecomo(神奈川県藤沢市)だ。関連会社のログビルドが開発した現場空間のVR化システム「Log Walk」と、職人のスマホを介して遠隔で立ち合いをする「Log Meet」を2年ほど前から活用する。

360度カメラとスマホで撮るVR写真は、定期で週1回、加えて特定の工程ごとに、職人に撮ってもらう。職人がツールを使いこなすことが肝となるため、初回はフォロー業務もスケジュールに組み込んで手厚くフォロー。すると、「2回目からは簡単に使いこなしてくれます」(ecomo設計管理・野﨑順平さん)。

むしろ、昔はすぐに電話をかけてきた職人たちがツールに慣れ、LINEなどで「後で見て返事ください」と写真付きメッセージを送ってくるようになった。おかげで、頻繁にかかってくる電話で事務作業の手を止めるということも、ほとんどなくなったという。


関係性維持のために職人との食事会を開催

現場への往復の時間がなくなり、1人で管理できる案件数は2倍に。現場写真が一元管理できて、施主に画像付きの定期報告が簡単にできたり、疑問点が生じた時にいつでも遡って振り返れるなど、現場管理ツールにはメリットも多い。ただし、効率化によって現場での職人との気軽なコミュニケーションが減ることには注意が必要だ。「食事会をするなど、改めて別の機会を設けています」(ecomo設計管理・岩本幸樹さん)。


《テク17》出だしのフォローを厚くしてツールを導入。

関連会社のログビルドの現場VR化システム「Log Walk」と、職人のスマホを介した遠隔立ち会いシステム「Log Meet」を使用するecomo。初めての職人が入る時には、通常管理にフォロー業務も組み込んで手厚くフォロー。すると、2回目からは簡単に使いこなしてもらえる。


《テク18》ツールで効率化した分は、別でコミュニケーション。

職人がVR画像を撮り、職人のスマホで現場を見るという、極力現場に行かずに効率的に現場管理するログビルドのシステム。ecomoが導入した2年前には、現場での気軽なコミュニケーションが減って職人が離れたことも。今は年に2〜3回食事会などの機会を設けている。


《テク19》着工~完工画像を一元管理して、いつでも再確認。

着工から完工までの現場写真を一元管理しておけば、「この場所に重いものをかけたいが下地はどうなっているか」という突発的な相談があったり、問題が起きた時に振り返ってみることができる。また、年月が経ってからの追加リフォームの相談にも対応しやすい。

▲Log Walkは、360度死角なしで現場情報をVR空間化し、全工程をクラウド保存する。現場が進行してから思わぬ相談・疑問点が生じたとしても、そのポイントを過去に遡って確認することができる。


《テク20》言った・言わないが生じる電話は極力使わない。

施主や職人とのやり取りは、電話より文章として証拠が残るLINEやメールを活用したい。「1つの現場管理ツールに慣れると、職人たちも自発的にLINE等を使ってきてくれます」(ecomo・野﨑さん)。口頭で話したこともLINE等で追って確認を取っておくと安心だ。



リフォマガ2023年5月号掲載



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