同じリフォーム営業でも、新人・中堅・ベテランと、営業歴によって「クリアしたい課題」は違うもの。今回は、若手の中堅営業と、個性派ベテラン営業の2人にスキルアップ術を聞いた。
《入社12年目のベテラン営業》
お客様や職人から愛される1億円プレーヤー
コープ住宅(兵庫県神戸市)東部営業所 営業チーフ 永田祥吾さん(42)
小・中学校はサッカー部、高校では美術部に所属。芸術系の大学に進学しインテリアを学ぶ。卒業後はバックパッカーとなり、中国、キルギス、チベット、ネパール、インドなどを放浪。帰国後、大阪府東大阪市の建売住宅販売会社に就職。妻の実家がコープ住宅でリフォームしたことがきっかけで、2012年コープ住宅に入社。年間売上は約1億円。福祉住環境コーディネーター2級、第二種電気工事士。
【入社1年目頃 これまでの課題は?どう解決した?】
知識不足でピンチ、現場で職人さんに教えてもらいたい!
建売住宅の販売営業をしていたので、家の構造は理解していたつもりでしたが、リフォームの対象は30〜40年前に建てられた家。いざ、床を剥がしたら「え、自分の知っているのと違う」とびっくりしてしまいました。今思うと、リフォームに必要な知識の1割くらいしかわかっていなかったと思います。
とにかく現場を見て覚えるしかないので、職人さんたちに教えてもらおうと思いました。それには職人さんに認めてもらう必要があります。職人さんは我々営業のことをよく見ていますから、基本的に1日1回は現場に行き、職人さんに任せっぱなしにしないようにしました。すると「こいつはちゃんと現場を見ているし、お客様と職人の間に入ってうまく調整しているな」と思ってもらえて、質問に丁寧に教えてくれるようになりました。
よく、差し入れを持っていくといいと言われますが、個人的に差し入れは「上から」な感じがしてしませんでした。30歳の若造が人生の大先輩たちに差し入れするのは、出過ぎたことのように感じましたね。
今でも、職人さんとの会話は大切にしています。リフォームは在宅工事が多いですから、営業と職人さんが親しげに話すことで、あったかい空気感を出し、いい印象を持ってもらえるように気をつけています。
【現在 課題は?克服するためにしていることは?】
人材育成が急務。自分のスキルをどう伝える?
現在、私は営業所内の1チームのリーダー(営業チーフ)を務めています。昔から私の営業スタイルは「感覚でやっているから、他の人が真似をするのは難しい」と言われていました。それではいけないと思うので、自分の経験から「営業の方程式」を編み出し、教え方を工夫しなくては感じています。
チラシの配り方から、クロージングの仕方などを試行錯誤してきた中で「一番成約率が高い」というノウハウを言語化していこうと考えています。
特に新卒で入ってくる社員に対しては新人教育のマニュアルを作り、会社に提案できたらいいなと思っています。
一方、私のチームは私より一回り以上も年齢が上のメンバーで構成されています。不動産やインテリアなどの仕事に携わってきた経験者ですので、もう知識を覚えてもらう段階ではありません。
私が大切にしているのは、その方たちに今まで培ってきたスキルを上手に使い、気持ちよく仕事をしてもらうこと。一人一人の仕事ぶりをよく見て、褒めたり、認めたりするようにしています。
個人面談をすることもありますが、私は事務所内での会話の中で、
よく話を聞くようにしています。他のチームから「あのチームはよう喋っとんな」と思われているかもしれません(笑)。それが情報共有にもなり、チームのムードをよくする秘訣だと思っています。
もちろん、私が誰よりも営業成績を上げることも重要です。マネジメントしながらですが、常に数字にはこだわっていたいです。私の年間売上は約1億円。数字を出している人の話なら、納得して聞いてもらえますよね。
【未来 これから身につけたいことは?取り組んでいることは?】
若手の育成と、新しい趣味へのチャレンジ
①若手社員の育成
若い人材の育成をしていきたいです。あと10年ほどで定年を迎える社員も多いので、会社の今後のことを考えたら、人材育成は急務だと考えています。
②多方面にアンテナを張る
仕事以外に、プライベートで色々なことにチャレンジしたいと思っています。バックパッカーの経験もそうですが、趣味はお客様との会話のきっかけになりますよね。営業の仕事は知識を深めることも大切ですが、お客様との距離を縮め、信頼してもらえるかがポイント。どんなお客様とも楽しく会話ができるようになるためにも、新しいことに挑戦したいですね。
永田さんの強みは多彩な趣味
旅からペット、野菜栽培まで
私の強みは、趣味が多いこと。ペットも飼っていますし、美術系の大学に行っていたのでアートも好きで、最近は植物を育てるのも好きなんです。
お客様が犬を飼っていたら、それだけで盛り上がりますし、陸路でヨーロッパに行こうとしていた話をすると、私、結構線の細いタイプなので、ギャップがあるようで驚かれます。
すごく上手にトマトを育てているお宅では、栽培方法を教えてもらい、実際にやってみて「いい感じに育ちました」と言いに行くとすごく喜んでもらえるんです。自分の経験も加えて話をすると、お客様の趣味を褒めても表面的ではなくなりますよね。経験の幅が自分の強みになっていると思っています。
▲色々な場所を旅した永田さん。お客様の家に旅先の写真があると、それが会話の糸口になる
▲永田さんが育てているアガベやパキポディウムなどの多肉植物
▲ペットのミニチュアシュナウザーの「くう」(4歳)
リフォマガ2024年6月号掲載
0コメント