施工品質アップテク20~複数担当制でブラックボックス化を避ける

顧客満足度を高め、リピートにつなげるために重要となってくるのが「施工品質」だ。

「どのような頻度で現場に顔を出すのか」「現場に行った際に気を付けるべき点」

「職人たちとのコミュニケーション術」「よくある落とし穴の回避法」等々。

現場管理の達人を取材し、すぐに取り入れられるようなテクニックを大小含めて20個紹介する。



複数担当制でブラックボックス化を避ける

ペアでフォローし合える複数担当制

施工品質アップのために、2023年1月から複数担当制という新たな体制を敷いたのが、ハウスドクター山口(山口県下関市)だ。

施工費10~500万円の案件は2人、500万円以上のいわゆるリノベーション案件は、店長を加えた3人体制で現場管理をする。1名がリーダーで、残りの1名ないし2名はサポーターだ。まずは営業の中で基本となるペアを組み、そこで案件によってリーダーを振り分ける形をとる。

この体制だと、ペアは互いのメイン案件を把握しているため、「〇〇方面に行くけど何かありますか?」とついでに相手のメイン案件に対応することができ、効率的な品質管理につながっている。見積もりなどの書類もクラウド上で共有し、互いにチェックし合うという。


品質向上につながる風通しの良い現場づくり

現場に行くタイミングはいくつかポイントがある。まずは複数の職人が入る時は、何が起きるかわからないので重点的に行くこと。さらに、ハウスドクター山口下関店の古田一男店長は、職人が話しやすい環境をつくることを心掛け、「なるべく10時、15時の休憩時間を狙って現場に行くんです」と言う。

職人とお茶を飲みつつ現場とは関係ない趣味や昔話など、世間話に花を咲かせる。すると、なんでも言い合える関係が築ける。さらには、職人同士の仲を取り持つことにもつながる。「以前は管理する意識が強く、ピリピリしてしまっていた。場をなごませたほうが最終的にはうまく進行します」。



《テク8》案件を複数名で担当。

ハウスドクター山口では、施工費10〜500万円の案件は2人体制、500万円以上の案件は3人体制で管理。複数名体制だと、現場訪問をフォローし合うことで効率的に管理ができ、見積もりなどの書類も互いにチェックし合える。


《テク9》複数の職人が入る時に重点的に現場へ。

現場の始まりと終わりに加え、電気や設備など複数の職人が出入りする、混乱が生じやすい時には重点的に現場へ行きたいところ。


《テク10》職人の休憩時間を狙って現場へ行く。

職人が話しやすい環境をつくるため、ハウスドクター山口の古田店長は、なるべく10時、15時の休憩時間を狙って現場に行き、世間話に花を咲かせる。それによって、携わる職人間のコミュニケーションも密になり、直接やり取りしてくれてスムーズに現場が進むことも。



お話をうかがったのは…

ハウスドクター山口(本社 山口県下関市)

安成グループのリフォーム専門部門として平成9年に設立された総合リフォーム会社。山口県内に3拠点。グループ会社の安成工務店等の、新築アフターのリフォームも担い、OB・紹介が8割、新規が2割。

下関店店長 古田一男さん

3年前より下関店店長。工業高校の建築科で学び、18〜25歳まで大阪の工務店に勤務。故郷の山口に帰り、板金業を経て、友人の誘いを受けてハウスドクター山口に入社。社歴20年以上の大ベテラン。現在47歳。引き渡し時に喜んでもらうことがモチベーションの源だ。



リフォマガ2023年5月号掲載



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