粗利を下げない必勝メソッド~03 向上技を知る 売上増につながるグレードアップ術

利益を守ろう!粗利を下げない必勝メソッド

会社の利益に直結する「粗利」。粗利が減れば、どれだけ売り上げても利益が残らない。あらゆる場面に粗利を下げる落とし穴は潜む。ミスを防ぎ、粗利率キープに成功している5人の営業たちに、粗利率を下げないメソッドを聞いた。



《向上技を知る》
売上増につながるグレードアップ術

同じ粗利率でも売上が大きければ利益がアップする。粗利率をキープしつつ、受注額をアップさせるグレードアップ提案の手法を聞いた。


あえて高額商品からはすすめない
京滋リフォーム広 (京都府京都市)亀田 佳明社長

高価格帯をプレゼンしたい場合でも、ショールームに行くと亀田社長は価格の低い商品から見せる戦略を取る。買わされているという警戒心を取り除き、欲しいと思わせるためだ。

例えばタカラスタンダードのバスであれば、グランスパ(FRP浴槽)→グランスパ(アクリル人造大理石)→プレデンシア(鋳物ホーロー浴槽)の順番だ。

亀田社長はプレデンシアを見せながら、「グランスパ(アクリル人造大理石)で十分いいと思いますよ。プレデンシアは、高くてなかなか買う人いないんです」とあえて逆をつく。

「最初から『よく売れています』と高いものをすすめると、『買わされる』と警戒されます。不思議なことに『高くてなかなか売れない』と言えば、『私は買える』と興味を持つ方がいるんです」

その後に「実際に利用するOB客が良いと言っている」「この商品は30年持つから、グランスパとの差額では、1日あたり●円」とメリットを出していく。すると、「それならば」と受け入れられやすくなる。


粗利を下げた工事から大型受注のリピートに
ニッカホーム中部(愛知県名古屋市)上田亮輔さん

ニッカホーム中部の平均単価は約55万円で、数千円のパッキン取り換えなどの小工事も多い。平均単価より安い工事は25~30%で受注することが多い。粗利率少なめの低い単価で受注することで、ファンになってもらいリピートにつなぐ。実際に数百万円の工事の受注につながったこともあるという。「3年後には大きな工事になって戻ってくると思って、取り組んでいます」(上田さん)。



リフォマガ2023年2月号掲載



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