屋根塗装(スレート)現場管理のポイント~中・上塗り

現場に毎日行けない!だからこそ、行くタイミングが大切!

リフォーム現場管理はココがとっても重要!

「スレート屋根の塗装をしたら、雨漏れを起こすようになった」ということがある。塗装することが雨漏れにつながるとは考えにくい話だが、薄い屋根材と屋根材が重なった部分の処理を怠ると、このような問題が発生する。こうしたスレート屋根塗装ならではの問題点を把握し、ポイントをしっかり押さえながらチェックすることが大切だ。



《中・上塗り》工程ごとに塗布量を守る

乾燥時間を守ろう


屋根・板金中塗り

下塗り塗料がしっかり乾燥してから仕上げ材の塗料で中塗りをします。棟板金、ケラバ板金は、金属面用塗料を使用して、仕上げ塗装(中塗り→上塗り)をします。どちらもローラーが入らない狭い空間は、ハケを使用して塗りムラが無いように塗装します。


中塗り乾燥→上塗り

中塗り終了後、塗り忘れがないか確認します。塗料の乾燥時間を守り、しっかり乾燥させてから上塗りに入ります。上塗りは最終工程となるので、ムラの無いように丁寧に塗装します。中塗りと上塗りは同じ塗料ですが、必要な塗布量を守り、厚塗りにならないよう注意します。



【ココが大事】

  • しっかりと乾燥させてから次の塗り工程を開始することが重要。
  • 仕上げ塗装は右のイラストのように、同じ塗料で中・上塗りの2回に分けて行う。
  • 塗料を薄める希釈剤の種類に注意(油性塗料はシンナー、水性塗料は水)。
  • 上塗り終了後に、金属部分も含めて塗装忘れが無いか、不要な箇所に塗料がついていないかなどのチェックを行う。


中・上塗りの塗料は同じ

▲塗料を希釈する希釈剤の量は表示されている割合を守る



【施主はココが不安】

“屋根だから、霜も心配だなあ”

おっしゃる通り、寒くなってくると霜が心配です。屋根に霜が降りていると、溶けて乾くまで塗装できず、待つことになります。例え地面などに霜が降りていなくても、屋根だけ霜が降りていることもありますので、注意して作業いたします。また気温が5℃未満の時や、湿度が85%以上の場合も塗装工事を見合わせます。

→屋根の表面温度は上がり下がりが激しく、気温が氷点下になっていなくても、屋根の表面温度は氷点下になることもあります。その場合「屋根だけ霜が降りている」という現象が起こります。特に勾配が緩い屋根は放射冷却が著しいので注意が必要です。乾燥しないうちに塗装をすると、水分が塗料に混ざって艶ありの塗料でも艶がなくなる「艶引け」※を起こして再塗装が必要になることもあります。


“中塗りと上塗りが同じ色なら、厚く塗って一度に終わらせることはできないの?(雨続きだし…)”

仕上げ塗装を1回で終わらせると、塗装のムラや厚みのムラができやすいため、2回に分ける必要があります。また1回で厚塗りをすると乾燥しにくいため、夜露や霜による不具合を生じる心配もあります。



【お客様目線で用語を解説】艶引け(つやびけ)

艶有り塗料なのに塗装面が白っぽくぼやけて艶が出ないことがあり中塗り用上塗り用ます。これは特に屋根塗装で見られる現象で、「塗料のかぶり」「白化」とも呼ばれます。原因の多くは塗膜が乾燥しないうちについた水分。乾燥しないうちに雨などに濡れると表面が平らに仕上がりません。表面にできた細かい凹凸が乱反射を起こし、きれいに光が反射しなくなってしまいます。雨の心配がない日でも、秋になると「夜露」や「霜」の影響を受けて同様の現象が起こる可能性があります。日が沈むのが早くなる時期は、早い時間帯に塗り終えて気象による悪影響を受けないうちに乾燥させるなどの対策が必要です。

▲塗料の乾燥前につく水分は大敵



リフォマガ2022年11月号掲載



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