現場に毎日行けない!だからこそ、行くタイミングが大切!
リフォーム現場管理はココがとっても重要!
「スレート屋根の塗装をしたら、雨漏れを起こすようになった」ということがある。塗装することが雨漏れにつながるとは考えにくい話だが、薄い屋根材と屋根材が重なった部分の処理を怠ると、このような問題が発生する。こうしたスレート屋根塗装ならではの問題点を把握し、ポイントをしっかり押さえながらチェックすることが大切だ。
《縁切り》雨漏れを防ぐ重要な作業
施工方法により、行うタイミングが違う
カッターや皮すきを使う方法 上塗り後に行う
屋根の裏へ回った雨水の逃げ道を確保し、雨漏れを防ぐために行われる縁切りの基本的な方法です。屋根の仕上げが完了し、乾燥状態を確認した後に縁切り作業を行います。カッターや皮すきを使用して、スレート屋根の重なり部分に付着した塗料を切断していきます。
【ココが大事】
- 屋根材の小口部分を破損する恐れがあるので、慎重に作業を行う。
- 上塗りが完全に乾かないと、足跡をつける恐れがある。
- 縁切り作業後、屋根にキズや汚れがないかチェックする。
タスペーサー(注)を使う方法 下塗り後に行う
屋根の下塗り・乾燥後に行う縁切り方法です。タスペーサー(商品名)という2次製品をスレート屋根の重なり部分に差し込み、雨水の通り道を確保します。施工時間を短縮できる上、仕上げ後の塗装面にキズや汚れをつける心配がないなどのメリットがあり、近年多く用いられています。
注)タスペーサーは株式会社セイムの商品名
【ココが大事】
- タスペーサーは01型と02型があり、02型は一般的に多く使用されている汎用型。01型はクッション性が高い。(01型は下塗り前の取り付けも可能)
- タスペーサーは屋根材の継ぎ目から15㎝ほど離して取り付けるのがポイント。約90㎝幅の屋根材なら2か所取り付ける(1㎡に約10コ)。
- 施工後はタスペーサーごと上塗りして固めるため、抜け落ちない。
【施主はココが不安】
“ウチの場合、どうしてカッターで縁切りすることになったんですか”
現状の屋根材に何か所かヒビがはいっています。年数からみても経年劣化のためにヒビがはいりやすい状態と考えられます。タスペーサーでは屋根材の間に挟みこむ作業時に、新たにヒビが入るリスクがあるため、仕上げ後にカッターで縁切りをする従来の方法を採用させていただくことにしました。
→屋根下地が傷んでいたり、勾配がゆるい屋根も注意が必要です。
【お客様目線で用語を解説】縁切り(えんぎり)
スレート屋根は、薄い屋根材が1枚1枚重なって構成されています。その重なった部分の隙間は、内部に侵入した雨水を排水するという重要な役割を果たしています。しかしそのすき間を塗膜で塞いでしまうと、雨水は屋根材の裏側に溜まってしまい、行き場を失った雨水が釘穴などから建物内に侵入すると「雨漏れ」となります。
そのため屋根塗装をする際は、雨水の出口を塞いでしまった塗膜をカッターなどで切り離す作業が必要となります。この作業を「縁切り」といいます。
リフォマガ2022年11月号掲載
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