成約見積もりのリアルタイム共有で営業マン全員がレベルUP!

ワンランク上の見積書大研究!

いかに顧客から契約を取り付け、粗利を確保するか。そんな各企業の哲学が詰まっているのが見積書だ。この特集では、実際に見積書を作成し、現場で使用している営業マンたちに取材を行った。トラブルを回避するための作成の工夫から、提出のタイミングや値引き交渉への対処法など運用面まで、各人のノウハウを明らかにする。



成約見積もりのリアルタイム共有で営業マン全員がレベルUP!

山口建設(東京都練馬区)

様々なやり方を伝えたうえで、担当がベストだと思う手法を自由にとってもらう方針の「山口建設」の山口博康代表。見積書の必勝パターンも顧客や担当者によって違うと考え、表紙や体裁は統一しつつ、内容は個別作成が基本だ。ただし、成約見積もりは社内チャットで共有。類似案件を参考に、各営業マンが切磋琢磨しながら作成している。



類似物件を自由に閲覧し
各自が品質向上を目指す

営業マン7名で、月に20件、年間200〜250件程度の見積書が発生するという山口建設。同社では、オリジナルの基幹システムに成約時の見積書を記録する形で、見積書の管理を行っている。

シンプルな見積もり作成システムを先代社長の時代から使用し続けているが、「書式や表紙を変えるなどし、7年前から運用面の整備も始めました」と山口博康代表は話す。

5年前に、契約書提出時の見積書添付を必須にした。提出直後に社内チャットで「〇〇さんが契約しました」と、契約書と見積書添付で通知。誰もがリアルタイムで成約見積書を見られ、同時に全社的な単月の売上、通年の目標金額と残額なども知らされ、自然とモチベーションが上がるような仕組みをとる。

「依頼があったらどんな工事が本当に必要なのかを考え、それに沿って作業を割り出し、はじめて見積書を作成する。顧客や担当者ごとに工事内容は千差万別。見積書の標準化は難しい」。

そこで山口代表は粗利の目標を定め、横通しで自由に見積書を見られるようにして、各担当がベストだと思う類似案件を参考に、見積書をつくる体制で運用しているのだ。

他方で蓄積した見積書の分析も進める。将来的には膨大なパターンに分けた見積書作成システムを構築するという大きな目標も持っている。



【山口建設 見積書作成のポイント】

1 トラブルを避けるための項目を表紙に設けている

一見シンプルだが、トラブル回避の工夫が凝らされた山口建設の見積書の表紙。「別途工事になること」や「支払条件」が明記され、欄外でも「施主宅の電気・水道・ガスの使用」と「追加工事発生の可能性」について言及。


0円のものもあえて見積もりに入れる

表紙の「別途工事」にもガス工事を入れているが、ダメ押しで見積もり詳細にも「ガス工事」の項目をあえて設け、「東京ガス実費精算」と書いている。


2 電気設備工事 個数を具体的に書くと工事内容が透明化

コンセントは種類まで分けたうえで、数量を出している。「こうすると増減を数字で管理できて、施主にも職人にもわかりやすく、変更もスムーズ」。詳細につくる実務的メリットがあるのだ。


3 タイル工事 職種で分けることでわかりやすい見積もりに

大型工事の場合は職種で分けるのが基本。事例では「洗面所」「店舗」「キッチン」など、様々な場所で発生しているタイル工事をまとめて見られるようになっている。ここでも種類と枚数を明記。



リフォマガ2021年5月号掲載



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