コレで決まった!プレゼン資料大公開
プレゼンは顧客の期待が最高潮に達し、受注を決定づける大切なシーン。最前線で活躍する設計士や営業マンは、日頃どんなプレゼンを繰り広げているのか。5人のプロフェッショナルに、各人の工夫が詰まった資料を公開してもらい、プランを魅力的に伝える見せ方の秘訣やトーク術について教えてもらった。
3プランから1プランに集約させる
2段階プレゼンで受注率アップ!
安藤嘉助商店の仁科和之さんは、スピード重視でまずは3パターンのプランを出し、そこから気に入った部分を選んでもらって組み合わせ、さらに進化させた1案を再び持参する。選ぶ楽しみを味わってもらいながら要望を明確化させていく手法で、ブレのない受注にこぎつけているという。
プレゼンと並行して予算と工事費のすり合わせ
仁科さんによると、予算とやりたいことの金額は合わないことがほとんど。だから、現調時に工事の概算の金額をさりげなく伝えてジャブを打つのがコツという。
次に会う時には、たたき台となる3プランを持参。ここで初めて予算を聞くと、事前に伝えた概算も意識した答えをもらえる。3プランからいいとこ取り&ブラッシュアップして最終的なプランが決まったタイミングで、正式な見積もりを出す。初回から契約までは1〜3カ月程度。これが仁科さんの必勝パターンだ。
《事例 「フルリフォーム」》
夫婦+子供4人の6人家族で、①オープンキッチンのある開放的なLDKにしたい、②パントリーと室内物干し場が欲しい、③4人の子供それぞれに個室をつくりたいという要望があった。検討を重ね、子供たちが独立することを見据えて、家具で仕切る可変性のある子供部屋にし、パントリーはやめて、室内物干し場を兼ねた広いWICをつくる案に決まった。
【point】既存図面にも色を付けてわかりやすくする
既存図面も起こして、洋室、和室、収納、洗面・トイレと色分けして見やすくしている。ドアや窓などに出入りできる動線⇔を入れたり、階段の段数を入れるなど芸が細かい。
【point】完成度が70点ほどのプランを3つ出す
スピード感や効率を考え、1案30分~1時間程度で考えた、70点程度の出来のプランを3案作成する。仁科さんの中では3案目が押しだが、選んでもらう楽しみを演出している。
プラン 1
プラン 2
プラン 3
【point】プラン2 3 からいいとこ取りした1案に集約
要望通りに4人の子供それぞれのスペースを細かく仕切ったプラン1もつくったが、将来を考えて最終的には家具で仕切るプラン2に。3のWICを採用し、キッチン横に配置することで間取りもブラッシュアップしている。
【point】2度目のプレゼン時に3Dパースを付ける
3案から1案に集約されたタイミングで、3Dパースもつくって平面図と一緒に見せる。事例では複数の視点からLDK+ファミリー用WICのつながりがわかるパースを準備した。
お話をうかがったのは…
安藤嘉助商店(本社 岡山県倉敷市)カスケホーム玉島店 設計部課長 仁科和之さん
大学の建築学科卒業後、ハウスメーカーの新築営業や不動産仲介会社勤務を経て、31歳で安藤嘉助商店に設計者として入社。3年目に大型案件の受注に携わり、営業を兼務するようになる。現場監督なども経験し、11年目の現在は営業メインで活躍している。
リフォマガ2021年1月号掲載
⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓
0コメント