手描きの図面&パースで、明確なイメージを伝えつつ変更の余地を残す

コレで決まった!プレゼン資料大公開

プレゼンは顧客の期待が最高潮に達し、受注を決定づける大切なシーン。最前線で活躍する設計士や営業マンは、日頃どんなプレゼンを繰り広げているのか。5人のプロフェッショナルに、各人の工夫が詰まった資料を公開してもらい、プランを魅力的に伝える見せ方の秘訣やトーク術について教えてもらった。



手描きの図面&パースで、明確なイメージを伝えつつ変更の余地を残す

「人と空間の交渉人」としてテレビでも活躍する建築家の中西ヒロツグさんは、まずは建物を生かす一番のプランを目指し、プロとしてのリフォーム提案を行う。そのためプレゼンはアイデアを伝える場となり、細部を詰めるのはその後となる。得意の手描き図面&パースを用いたプレゼン資料を公開してもらった。



細部に寄らずアイデアにフォーカスできる手描き

中西さんのもとには、他のリフォーム会社の提案に納得できなかったり、技術的な問題で断られた末に依頼してくる人も多い。

「施主がやりたいと言っている限り、難易度が高くても私はできないとは言わず、解決策を示すようにしています」。

そのために建物と敷地をじっくりと読み解き、施主自身も気づいていないような、期待以上のプランの提示を心掛ける。プレゼンではCAD図面やCGなどは用いずに、手描きの平面図やパースをたくさん用意する。このほうが細部に寄りすぎずアイデアの部分をしっかり伝えていけるのだという。

【point 1】淡い色使いで素材感を出しすぎない

淡い色使いのイラストだと、例えば壁はクロスなのか塗壁なのかわからず、フローリングの色味も見た人の好みに変換される。結果、シンプルにアイデアだけを伝えることができる。


【point 2】リアルな手描きパースで明確なイメージを共有

素材感は曖昧にしつつ、リアルな描写のパース。LDK、個室、玄関、外観など主要なスペースを網羅して描いている。多少の変更はあるものの、竣工写真と驚くほどイメージが合致する。



現況平面図も手描きでプランと見比べやすい

中西さんは現調後すぐにプランを描いて、しばらく寝かせながら色々と思いついたことを反映し、バージョンアップさせていく。検討することがなくなった時、初めて手描きのプランを描く。「ベストプランが定まるまでが長くて、手描きは1日で早いです」。

平面図はプレゼンプランと見比べやすいように現況も手描きする。プレゼンプランは色付けし、引き出し線でポイントを書き込み動線も入れて、一目でプランが理解できる資料の完成となる。



お話をうかがったのは…

▲イン・ハウス建築計画(東京都豊島区) 中西ヒロツグさん

大阪府出身。1986年に京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業後、設計事務所勤務を経て、1999年イン・ハウス建築計画を設立。住宅やリフォームの設計監理と共に、テレビや講演でも活躍中。第34回住まいのリフォームコンクール・国土交通大臣賞など受賞多数。



リフォマガ2021年1月号掲載



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