ゼロから始める!かんたん外装リフォーム提案講座
昨今、競争が激化しているリフォーム業界だが、外装リフォームの領域は、リフォーム会社の営業がまだまだ手を付けられていないジャンルだ。外装リフォーム工事に適した春を前に、専門会社の外装提案の達人たちに、良い提案のためのいろはをQ&A方式で教えてもらった。
Q4 説得力のある見積書とは?
A.
①予算とライフプランに合う提案。
②一式など曖昧な表現はNG。材料と工賃は分け、塗料の品番・量、塗装の回数などを明記。
ライフスタイルに合ったベストプランを考える[IPS 成瀬さん]
ライフプランに合わせた提案を心掛ける。極端な話、あと5年だけ住むということなら、何もしないでいいと思いますと言ってしまう。見積書では、塗装範囲をソフトで積算して、メートル、平米数、何カ所と具体的に出す。
品番まで書いていない見積書は絶対にNG[郡山塗装 影山さん]
4~5パターンのグレード違いの見積書を出す。塗料の種類は明確に書く。「『シリコン』とだけ書いて出すのは、車の見積もりで『普通自動車』としか書いていないのと一緒。『アステックペイントの〇〇』と書いて初めて、『トヨタのプリウス』と同等になるんですよ」と顧客には説明。
相見積もりでは全体の中の上くらいの金額で、受注率6割。この受注率を実現できるのは、価格のことは頭から外して診断状況を伝え、問題解決にどんなことをクリアする必要があるか、その施工について話すからだ。それによって施主の頭からも価格のことは外れていく。
相見積もり対策で様々なパターンを提出[ガイソー富山店 山口さん]
見やすいようにシンプルを心掛けるが、塗装はローラー3回塗り、数値を出すなど、絶対に入れなければいけない項目も設けている。
提案が多いほど相見積もりで比較対象に入りやすいため、塗装とカバー工法どちらでもできる時は、両者の見積書を3パターンずつ出す。
カバー工法がいいだろうという案件でも、塗装しかしない会社への対策で、シリコンの最低ランクの塗装を比較材料として持っていく。安くやれることを見せ、でも保証の対象外になるという説明まで行う。
お勧め仕様を1つだけ表紙に掲載[麻布 村上さん]
表紙に一番お勧めの仕様を1つだけ掲載。比較表を後ろに入れ、5パターンは提示。外壁の状態によって、漏水に対応する防水や遮熱系など、機能性塗料も提案する。塗料の種類、塗り方、回数、積算(図面か現地で実測して出した数量)は必須。
▲ベストと考える1プランを表紙に提示する麻布の見積書
ガイソー富山店・山口さんの見積書
顧客がわかりやすい言葉を備考で用いて補足説明
概要(名目)、数量、単位、単価、金額、備考に分けて見積書を提示。備考で概要より具体的な内容を書き、顧客に聞かれそうなことにあらかじめ答えている。
山口さんオリジナル資料
「工事作業指示書」で決定事項をさらに整理
契約後に、山口さんがオリジナルで作成する指示書。これを施主にも渡している。記録カードで手書きして渡した内容と一緒だが、言った言わないをなくせ、細かく管理してくれたと思ってもらえてリピートにもつながる。「少し大変だけど、自分自身の再確認にもなっています」。
外装提案トレンド(2)
高機能塗料が好まれる傾向に
最近の傾向として、安い塗料は好まず、コストよりも耐用年数で選ぶ施主が増えている。これはネット等で情報が行き渡り、いい加減なものを使いたくない、少しでも長く持たせたいという意識が高まっているためだ。
アドバイスをくれた外装のプロたちは…
IPS(ガイソー上尾店)●埼玉県上尾市 店長/外装アドバイザー 成瀬大輔さん
1980年生まれの42歳。大学卒業後、飲食店に約11年間勤務ののち、工務店やリフォーム会社で経験を積む。2020年にIPS入社。準備が8割、知識は広く浅くで十分、他社否定は絶対にしない等、確固たる仕事への姿勢を持つ。2022年度ガイソーアワード受賞。
郡山塗装(プロタイムズ郡山店)本社●福島県郡山市 リモデル事業部部長/本店長 影山剛志さん
飲食店勤務を経て、2018年に郡山塗装に入社。公共系の事業部から2019年4月に住宅リモデル事業部に異動。住まいを診断して、現状が「軽い風邪」「インフルエンザ」「今すぐ入院が必要な重篤な状態」といったわかりやすい説明を心掛ける。
ガイソー 富山店(オリバー直営店)●富山県富山市 主任/営業/外装アドバイザー 山口航平さん
新潟県出身、富山県で大学時代を過ごす。海上自衛官として3年間勤務ののち、リフォーム会社のオリバーに入社し、ガイソーに配属される。施主に信頼される誠実さを大切にし、資料の準備に余念がない。2023年1月に新規オープンのガイソー高岡・射水店店長に昇進。
麻布 本社●愛知県春日井市 社長代理/工事管理/営業部長 村上直樹さん
内外装のリフォーム経験30年。主にゼネコンの下請けをしていた10年前に池田社長に声をかけられ麻布に入社。直接顧客と対面し、顧客中心で考えることに責任とやりがいを感じている。スムーズに最短で完工するために段取りを重視し、細めな連絡を心掛ける。
リフォマガ2023年3月号掲載
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