リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書
第8回 浴室リフォーム(後編)
ドキッとする“解体あるある”を集めました
「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。
そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。
私は浴室解体に立ち会う時、「何も出ないでくれ・・」と祈るような気持ちでした。浴室工事はシロアリ被害以外にもドッキリすることが多々あるからです。
心配事の原因の一つは建物の構造が多種多様なこと。特に最近ではハウスメーカーの建物が多くなり、メーカーごとの浴室の特徴を把握するのは大変です。浴室にまつわる「解体あるある」はいろいろとあるでしょうが、今回は私が実際に体験したドッキリ話を紹介します。
《事例 4》
洗面室側の壁もブロック積みだった!
ブロックを壊さないと浴室を広げられない…
木造住宅の在来浴室をユニットバスにリフォームする現場での話です。壁の位置を洗面所側にずらして浴室を拡張するため壁を壊しはじめたところ、ズン!と鈍い音がしました。いやな予感がしてタイルを剥がすと、出てきたのは高さが80cmほどもあるブロック基礎。「ここもブロックだったとは…」と呆然としてしまいました。高窓の下端の位置まで積み上げられたブロックが、外壁まわりだけでなく4方にぐるっと廻っていたのです。
厳重に積まれたブロック基礎のおかげで、木部の傷みやシロアリ被害はありませんでしたが、浴室拡張のためにはブロックを壊さなければなりません。「現調の時にわからなかったの?」と職人に言われ、ただただ頭を下げるばかりでした。
【解決策は?】粉塵対策をしてブロック壁を解体
湿気から建物を守るために浴室の周囲に使用されていたコンクリートブロックは、建築用ブロックの種類の中でも重量があり、水分を含みにくいランクのものが使用されています。解体は大変ですが、ブロック壁を解体しないことにはサイズアップするユニットバスが入りません。解体に時間がかかってしまいますが、粉塵の舞い上がりを抑えるために水をかけながら解体します。ブロックを固定するために入っている鉄筋も切ります。
【どうすれば事前にわかる?】壁厚の確認と打診棒での調査
コンクリートブロックが下地となっている場合、壁の厚みは150mm程あります。浴室を室内側に広げる場合は必ず壁の厚みを確認します。建築当時の図面ではブロック積みの情報が確認できないこともあるので、図面を鵜呑みにすると今回のように「開けてびっくり!」の事態になってしまうので注意を。
また、イラストのようにどの高さまでブロックが積まれているか、現調時に打診棒をタイル面に転がして確認しましょう。
▲打診棒でブロックの範囲を確認
[こんな現場もあります]
天井までブロック積み!
築年数が経ったマンションでは浴室がユニットではなくタイル貼りということもあります。既製のユニットバスを入れるにも、入るサイズが無いほど手狭なケースが多いため、壁を壊して浴室を広げたいという希望があります。
ただしこのようなマンションでは浴室まわりの壁が天井までコンリートブロック積みの可能性があるので要注意。躯体でなく間仕切り壁であれば解体できますが、管理組合の許可が要ることもあります。
▲築年数が経ったマンションではブロック壁が出てくることもある
リフォマガ2023年12月号掲載
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