リフォーム解体新書~給水管の立ち上がりスペースがコンクリートで造られていた

リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書

第6回 キッチンリフォーム(後編)



ドキッとする“解体あるある”を集めました

「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。

そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。キッチンの解体前にチェックすることが難しい場所もあるかと思います。例えばステンレスでカバーされている出窓の窓台の腐れはステンレスをめくらないとわからない…なんてことも。しかし解体しないとわからない場合でも、予測するためのポイントを押さえておけば「見えない必要工事」が見えてくるかもしれません。



《事例 5》
給水管の立ち上がりスペースがコンクリートで造られていた

コンクリートをはつらなきゃだめ⁇

給水管やガス管を床から立ち上げるために設けられている壁は、一般的には木枠で組まれています。しかし木枠なので簡単に解体できると思いきや、まさかのコンクリートが出てきてしまった!ということもあるので油断は禁物です。

鉄筋コンクリート造の家のキッチンリフォームで、給水管とガス管の立ち上がり配管スペースを解体しようとしたところ、木枠ではなくコンクリートが出てきて大慌て。給水管等はコンクリートに埋まっている状態です。コンクリートをはつるとなると工程が狂ってしまい、キッチンを使えない状態が長引いてしまいます。

「壁を解体せずにこのままカウンターとして残し、新規に取り付けるシステムキッチンをその手前に据え付ければはつらなくて済むのでは」とも考えましたが、スペースに余裕がないこともあり、施主から「狭くなることはしたくない」と言われてしまいました。


【解決策は?】管を撤去してから全体をはつる

給水管などを立ち上げる配管スペースの壁は、奥行きが550mm程のセクショナルキッチン(天板が箱ごとに分かれている)にデッキ水栓金具を設置する際に設けられます。この壁をそのまま残して奥行き650mmのシステムキッチンを設置した場合、人が作業をするスペースが狭くなってしまいます。工程は狂いますが、コンクリートをはつって内壁との段差を無くすことになります。その際は給水管やガス管を撤去してから全体をはつります。


【どうすれば事前にわかる?】カウンターにデッキ水栓がある現場は要注意

特に鉄筋コンクリート造の住宅において、イラストのようにカウンターにデッキ水栓が付いている場合、配管スペースがコンクリートであることを視野に入れましょう。キッチン内部の壁点検口を開けて壁を確認します。点検口が無いキッチンもありますので、その場合は施主に事情を説明の上、着工前に点検口を設けて確認します。



[こんな現場もあります]
天井裏に給排水管が通っている現場もある

給排水管は床下を通っているとは限りません。例えば天井裏に給水給湯管が通っていて、湯水が上から下に流れてくる現場もあります。地下が車庫になっていて床下にスペースがとれないなど、何かしらの理由でこのような設計になるようです。マンションリフォームでよく見かけるのは、床のコンクリートスラブを排水管が貫通して、階下の家の天井裏を通る現場です(イラスト参照)。この場合は排水の位置を変更することが困難なため、キッチンの移動はできません。

▲排水管が床のコンクリートスラブを貫通して下階の天井裏を通る



リフォマガ2023年10月号掲載



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