リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書
第6回 キッチンリフォーム(後編)
ドキッとする“解体あるある”を集めました
「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。
そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。キッチンの解体前にチェックすることが難しい場所もあるかと思います。例えばステンレスでカバーされている出窓の窓台の腐れはステンレスをめくらないとわからない…なんてことも。しかし解体しないとわからない場合でも、予測するためのポイントを押さえておけば「見えない必要工事」が見えてくるかもしれません。
《事例 6》
マンションでIHを導入する計画だがアンペア数が足りない?
アンペア数を上げられるか管理組合に確認しなかった…
マンションで、ガスコンロのキッチンからIHコンロのキッチンに入れ替える現場での話です。着工後、分電盤を見た電気屋さんから「40アンペアじゃ、電気容量が足りないよ」と言われてしまい、大慌て。
管理組合へは工事の届け出は出しましたが、アンペア数を上げる話はしていません。新規キッチンはすでに現場に届いているのでどうしてもアンペア数を上げないといけないし、マンション側に相談せずに勝手に上げて良いのかなあ…もし出来なかったらどうしよう…と頭を抱えてしまいました。
【解決策は?】まずマンションの管理組合に確認をとる
ガスコンロからIHコンロに変えるなど、容量が大きい電気器具を計画する場合は、電気の契約容量が不足しないか事前に確認する必要があります。不足すると、同時に使用する電気のアンペア数の合計が契約容量を超えることでブレーカーが落ちやすくなります。容量が足りなければアンペア数を上げればよいのですが、マンションでは各戸のアンペア数の上限が決められているケースが多いため、すぐに居住者からマンション管理組合に容量変更の確認を取る必要があります。
▲マンションごとに事情が異なる
【どうすれば事前にわかる?】まずは現在の契約容量を確認する
新しく取り付けるキッチンにIHを新たに組み込む計画がある時は、現在の契約内容を確認しましょう。分電盤内部の「アンペアブレーカー」をみると、「○○A」と表示されています。ただし、スマートメーター※を導入する際にアンペアブレーカーを撤去していることもあります。その場合は検針票を見て確認する方法があります。
一般的に、1~2人の世帯は30A、3人になると40A、人数が多い世帯や電気機器を同時に多く使用する家庭の場合は50Aか60Aが目安となります(オール電化は60A以上)。40Aでも機器の電流値(A)や使い方によってはIHコンロを導入してもブレーカーが落ちることなく使用できますが、アンペア数を上げるなら、まずは管理組合側に相談する必要があります。
[用語解説]スマートメーター※
従来のアナログ式のメーターは検針員による目視検針が必要でしたが、デジタル式の「スマートメーター」には通信機能がついているため、設置後は遠隔での自動検針が可能となります。またアンペア数を上げる時も遠隔操作のため立ち合いが不要となります。利点はいくつかありますが、各戸の電気の使用量を30分ごとに自動で検針して、電気を効率よく使用するためのプランを検討することにも役立ちます。2024年までに全戸において従来型のメーターからスマートメーターへ切り替えられる予定です。
電力会社によって違いはありますが、スマートメーターに切り替える際に、分電盤のアンペアブレーカー(○○Aと契約アンペア数が書かれているブレーカー)を撤去することがあるため、今後はアンペア数を分電盤で確認できない場合は検針票で確認することになるでしょう。
▲通信機能付きのメーター
リフォマガ2023年10月号掲載
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