リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書
第6回 キッチンリフォーム(後編)
ドキッとする“解体あるある”を集めました
「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。
そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。キッチンの解体前にチェックすることが難しい場所もあるかと思います。例えばステンレスでカバーされている出窓の窓台の腐れはステンレスをめくらないとわからない…なんてことも。しかし解体しないとわからない場合でも、予測するためのポイントを押さえておけば「見えない必要工事」が見えてくるかもしれません。
《事例 4》
出窓のステンレスをはがしたら、カウンターの合板が腐っていた
物がたくさん置いてあって気が付かなかった
奥行きがあるキッチンの出窓は、鍋などの置き場に使われることが多い場所です。窓のカウンターはステンレスでカバーされているため水はけも良く、濡れても下地の合板にまで水が廻ることは滅多にないようですが、安心は禁物。出窓がある面は北向きが多く、しかも雨戸が無いため結露が起こりやすい場所でもあります。今回の例のように、ステンレスを剥がしたら、木部が窓の周囲から朽ちてしまっていることもあるので注意を。出窓は湿気や水気が多い上に、雨風をまともに受けています。しかも重いものを乗せられて、かなり過酷な環境に置かれているといえるでしょう。
【解決策は?】合板を支える下地材の状態も確認の上、傷んでいる部分を交換
下地となる合板が傷んでいたら、そのまま新しい仕上げ材を貼ることができません。合板から新しくする必要があります。出窓は風雨にさらされているため、屋外の防水の状態が悪いと合板を支えている木下地も傷んでいる場合もあります。合板をはがす際に、木部の劣化状態もチェックしましょう。特に奥行きが深い出窓は耐荷重以上の重量があるものを置いているケースもあり、歪みが生じていることもあります。
▲合板を支える下地材の状態も確認する
【どうすれば事前にわかる?】結露しそうな窓は特に注意必要あればカバーをめくって確認する
奥行きが深く、しかも幅が1間ほどもある出窓は、リフォームの現場でよく見かけることと思います。このような大きな窓が北向きだったら結露も多いことでしょう。しかし窓に手が届かないほど奥行きがある上、物がたくさん置いてあれば窓を拭くのも大変です。そのため出窓の手入れが不十分で、ステンレスでカバーされていても下地の合板が傷んでいることがあります。結露が多い出窓は特に注意が必要です。
[こんな現場もあります]外から水が入る
出窓はカウンターに限らず壁や天井の下地が傷んでいることがあります。この場合、外部から水が入っていることも考えられます。出窓は常に風雨にさらされており、時には台風で雨が出窓の下からたたきつけられることもあります。雨漏れがあれば、まずは補修することが先決となりますので、現場調査時に雨漏れが疑われる場合は事前に原因を突き止める必要があります。
▲出窓の雨漏れ原因となりやすい箇所。まずは雨漏れの原因を突き止める
リフォマガ2023年10月号掲載
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