床を守りながら漏水を防ぐ
洗濯機周辺の水漏れ事故を防ぐ洗濯機防水パン。劣化や掃除のしにくさを感じたり、洗面所のリフォームを考えているなら、新しい防水パンに交換したい。
洗濯機の漏水被害を最小限に
さまざまなタイプから最適なものを選ぶ
洗濯機防水パンとは、洗濯機を置くためのプラスチック製のトレイ状のもの。排水用の穴が開いていて、別売りの排水トラップをセットして設置するタイプが一般的。
形状は、トレイの中がフラットなものと、四隅がかさ上げされたものなどがある。サイズは、奥行きは基本的に640mmで、洗濯機や設置場所に合わせて幅のサイズを選ぶ。幅は740mmがドラム式洗濯機にちょうどよいサイズ。
洗濯機を買い換えても対応できるように大きい防水パンを設置しておけばよいと考えがちだが、防水パンが大きすぎると無駄なスペースが発生してしまう。大型洗濯機を入れる予定があるのか、そのための搬入経路はあるのかなども考慮し、最適なサイズを選びたい。
防水パンは、洗濯機からの水漏れがあったとき、水を受け、床への浸水を防ぐ。洗濯機の振動を吸収し、騒音などを軽減する働きもある。
洗濯機の水漏れの原因は、洗濯機の故障だけでなく、排水ホースの劣化や接続不良、排水口のつまり、洗濯機の結露などがある。防水パンがないと、浸水により床や床下を傷めてしまう。周囲の家具や家電が濡れたり、階下にまで漏水が及ぶと被害はさらに広がってしまう。防水パンにより、防げる被害があることを理解しておこう。
洗濯機防水パンの選び方ポイント
サイズで選ぶ
- 奥行きは640mmが主流
- 洗濯機や設置場所に合わせて幅を選ぶ
- 幅640mm:一般的な洗濯機
- 幅740mm:ドラム式洗濯機
- 幅800mm以上:大型洗濯機や2槽式洗濯機
タイプで選ぶ
- フラットタイプ
- かさ上げタイプ
- 床上配管タイプなど
高さを確認
- 水栓位置が洗濯機と干渉しないか
- 洗濯機のフタの開け閉めができるか
排水口の位置
- 前方中央のものが多い
- フラットタイプの場合、左、右、センターから選べる
【知っておこう!】洗濯機防水パンを設置するのはどんなとき?
設置が必要なケースは次の通り。的確なタイミングで交換や設置をおすすめしたい。
古くなった防水パンを交換
- 老朽化により傷んでしまったとき
- 洗濯機を大きなものに買い換えたいとき
洗濯機置き場を新設
- 屋外に設置していた洗濯機を室内に入れたい、床に直接置いていた洗濯機に防水パンを設置したいなど
洗面化粧室をリフォーム
- 洗面化粧台を入れ替えるとき
- 洗濯機置き場の床や壁を張り替えるとき
【豆知識】洗濯機を正しく設置するために
洗濯機の設置は、水平に正しく置けるかが重要。洗濯機の取扱説明書に、設置に必要な広さが明記されているので、防水パンの有効内寸を確認しよう。かさ上げタイプなど台付きの場合は、洗濯機の脚がしっかり置けるかも大切なポイントだ。
周辺サイズも合わせてチェックし、洗濯機を安定して置けるようにする。
▲確認すべき周辺サイズ
洗濯機防水パンのいろいろ
幅広い機種の洗濯機に対応
スタンダードタイプ
- フラットなタイプの場合、排水口穴の位置を左、右、センターから選べる
- 脚を載せる部分に高さがあるものもある
排水トラップの掃除がしやすい
かさ上げタイプ
- 洗濯機を動かさなくても洗濯機下に手が届く
- 壁付水栓と洗濯機が干渉してしまうと、水栓の交換が必要になるケースも
▲洗濯機を動かさずに排水トラップを取り外して掃除ができる
写真提供/カクダイ
台座と一体
床上配管対応タイプ
- 床下に排水を通せないところにも設置できる
- 専用の横引き排水トラップあり(同梱)
▲床穴を開けられない、床下に配管スペースがない場合にも設置できる
イラスト提供/カクダイ
防水パンに給水栓を設置
給水栓付きタイプ
- 給水栓のための壁立ち上げ配管が不要
- 防水パン上に水栓があるため漏水リスクが軽減
防水パンに点検口を設置
点検口付きタイプ
- 点検口から排水管の点検ができる
【知っトク】かさ上げ台を使えば、排水口の掃除が楽になる
洗濯機防水パンの排水トラップの掃除ができずに困っている場合、かさ上げ台を使うことで、防水パン自体を交換しなくても悩みが解決できる。洗濯機の水平を保つよう正しく設置しよう。かさ上げしたときに、洗濯機が水栓と干渉しないかを確認してから取り入れよう。
▲洗濯機用かさ上げ台(カクダイ)
リフォマガ2023年12月号掲載
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