リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書
第2回トイレリフォーム(後編)
ドキッとする“解体あるある”を集めました
「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。
そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。
今回紹介するトイレ工事の内容は、特殊な事例ではありますが、どれも実際にあった話です。特に事例6の「手すりをつける計画の壁が、GL工法だった」の例は、マンションで起こりがちな問題です。このような場合には「想定と異なる状況に対し、どう提案するか」を前もって準備しておけば慌てずに済むでしょう。
《事例 4》
排水経路が長く、エコ便器の水量では流れない
節水タイプの便器にしたら、汚物が流れない
トイレの排水桝から最終桝までの排水経路が非常に長い現場がありました。それを知らずに便器を節水タイプの便器に交換したところ、水量が足らずに、途中で汚物がひっかかってしまうというアクシデントが発生!掃除用に設けられた汚水管の掃除口を開けてみると、汚物が管の途中でひっかかっています。交換する前の便器の水量なら問題なく流れていたので、施主の方からも詰まりやすいといった情報はありませんでした。
【解決策は?】水量の問題なら水量を調整して増やす
節水トイレにすると洗浄時の水量が約半分になり、水道代を節約できるということで、古い便器から交換する工事が多くなっています。ただし、中には水量が少なくなったことで水の流れが弱くなり、汚物が排水管の途中で詰まるケースもあります。
トイレットペーパーの使い過ぎなど、思い当たる問題を改善しても解決しない場合は、残念ではありますが、節水効果が減少してしまうことを施主へ説明した上で水量を多くするように調整します。便器によって調整方法は違いますので、施工要領書通りに行います。
▲水量を調整する前に必ず止水する
【どうすれば事前にわかる?】排水ルートを把握
過去にリフォームしているか、排水ルートに問題はないか、現場調査で確認しておきましょう。トイレ位置を変更したなどの理由で、排水経路が極端に長くなっている家は特に注意を。今回の例は、過去のトイレの位置変更により排水管が長くなり、しかも曲がりの部分ができたことが詰まりの原因でした。流す水量が多い便器では問題なく使えていても、水量が少なくなったことで水の勢いが弱まり、汚物が流れきれずに詰まってしまったのです。不具合があれば水量を多くする可能性があることを事前に伝えた方がよいでしょう。
[こんな現場もあります]
節水便器に交換することで水の勢いが弱まり、汚物が流れなくなったという問題は他にもあります。例えば、排水管や汚水桝に木の根が詰まっている場合です。特にコンクリート桝と呼ばれる古い桝は、隙間から根が入りこみやすいため、現場調査の時には蓋を開けて確認を。
▲汚水桝に木の根が詰まっている
リフォマガ2023年6月号掲載
⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓
0コメント