リフォーム営業の業務内容は多岐にわたる。
あちこちと連絡を取ることも多く、日々仕事に追われているのが現状だ。しかし、時間をかければかけるだけクオリティが上がるわけではない。
今回は、賢いすき間時間の使い方や、資料のフォーマット化で、効率的に働く営業たちのワークスタイルをレポートする。ポイントを取り入れて、作業の効率を上げよう。
相見積もりに勝つ、短期間でも濃密なコミュニケーション
福山さんは、商談以外でも濃密なコミュニケーションを心がけている。訪問前の電話で、要望を簡単にまとめた「プレ見積もり」を初回で出すことで、スムーズな価格相見積もりに勝てるプランに活かす。
顧客の1番になる情報の聞き方
福山さんは、相見積もりになっても、濃密なコミュニケーションを効率よく取ることで、顧客の希望を汲み取るプランを作成し、受注してきた。休日出勤も残業もほぼなしで、今期4カ月経過した7月時点で受注目標の216%達成。紹介件数も多く、ワークライフバランスと実績を両立させている。
初回訪問前に5分程度の電話で聞いた希望を反映させつくる「プレ見積もり」がカギ。さらに松竹梅のプランを用意し、選択の幅をもたせる。
初回打ち合わせでは「プレ見積もり」を基に「これを選ぶと○○円になる」と持参したカタログを見せながら話す。例えば、同じ面積のトイレの壁でも、壁紙を2種類上下貼り分け、トリムで飾る場合は1種類のクロスを使う場合と比べて高額になる。価格の理由が明確なので、見積もり額に納得してもらえる。
訪問後は毎日のように、顧客と主にショートメール(SMS)でやり取り。メールに比べ短文でサクッと送れるので、ちょっとした色の変更なども気軽に連絡してもらいやすい。コンセント位置など、初回で話しきれなかった細かい要望をプランに活かす。
2回目の訪問では、プランの図面と概算の見積もりを持参。それをベースに施主とより具体的に詰めていく。競合他社よりグレードの高い商品を使った高額なプランになることが多いが、総額だけを見て断られることが少ない。初回とSMSを通じて施主の希望を多く拾った状態から各箇所のコストの話ができるためだ。見積もりはその場で顧客の要望を取り入れて修正することで納得感が増す。また、再見積もりは迅速に提出。
このように、施主の希望を聞きやすくする工夫で、訪問後の見積もり・プレゼンの作り直しが減り時短になる。多くの場合3回目の打ち合わせまでで受注できる。空いた時間をさらに顧客とのやり取りに当てている。
他社の見積もりを見せてもらうことも多い。「他社のいい所を教えて!取り入れます」と伝えると快く見せてもらえる。他社のアイデアも取り入れて競合する要素をなくし、自社での受注につなげる。
よくある課題:相見積もりに負けてしまう
《福山さん的働き方ポイント》訪問前後で心をつかむ
《結果》早期受注で相見積もりに勝つ
福山さんは、500万円以上のリフォームでは3~4回目で受注を決める。設備交換のみならさらに早く、例えばトイレ交換なら40%程度が初回で成約になる。プレ見積もりを作って顧客と話しながら金額の調整を行うことと、SMSを用いて顧客の希望を聞ききったプランが短期間での受注のコツ。
初回訪問後はSMSでやりとり
SMSの活用で情報量が増え、プランに差がつく。あえてSMSを使うのは気軽に短文でやり取りできるから。顧客には事前に定時内の空き時間に返すと伝えておくことで、業務時間を有効に使って返信できる。「返信はいつでもいいから」と添えると色味の変更などの些細な希望も送ってもらいやすくなる。
福山さん的ワークスタイル
- 訪問前は5分の電話で情報を聞きだす
- プレ見積もりを用意して、価格交渉をスムーズにする
- 顧客への連絡はSMSで気軽に相談してもらう
- 他社のアイデアを取り入れ、競合要素を減らす
お話をうかがったのは…
フレッシュハウス(神奈川県横浜市)平塚営業所 福山光和さん
置き薬の営業を経て、1999年に32歳でフレッシュハウスに入社。収入を上げたかったこと、家作りに興味を持ったことがきっかけ。以来、リフォーム営業として23年間務める。
リフォマガ2022年10月号掲載
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