今日から真似できるリフォームレシピ~収納から空間構成 楽しい・便利なギミックもいっぱい

達人のインテリアをモノにしよう!
今日から真似できるリフォームレシピ

「いつもと同じ、マンネリプラン」を脱却したい方に見て欲しい。ニーズを汲み取り、デザインに優れたリフォーム事例は何が違う?使用した建材、コストを抑える工夫、ヒアリングのコツなど、プランニングのポイントを紹介。読めば今日から真似できる!



古民家の魅力をいかした住みやすい家

住宅R工房では、茨城に多い入母屋造りの住宅のリフォームを多く手掛ける。入母屋造りは茨城の風土に合っており、伝統を残したいという施主が多い。難点は北側に水まわりがあること。「寒い、暗い、生活動線がない」ところを解消し、受け継いでいくという考えでリフォームしている。

「初めから予算をいうとお客様が萎縮してしまうので、やりたいことをとにかく話してもらうようにしています」と蛭牟田さんはいう。キッチンなど、施主のこだわりのあるポイントはぎりぎりまで理想のものを探す一方、他の場所でコストを抑え、希望するデザインを最優先に実現する。設計の際に心がけているのは、施主と深い関わりを持って隠れたニーズを掬い上げること。

事例の入母屋造りの物件はご主人の実家。リゾート風にしてほしいご主人と、もともとの雰囲気を生かして古民家カフェ風にしたい奥様とで相反する希望を持っていたが、いいところ取りをして完成させた。

物件DATA

築43年 入母屋造平屋一戸建て

フルリノベーション

ご夫婦・小学生以下の子供3人



《Point 1》ケースの大きさから考える造作収納

どこのケースを使うか調査

テレビボードの裏側には、散らかりがちな配線を隠すコンセント付きの棚を設置。収納ケースの大きさに合わせて造作した。IKEAやニトリなどのメーカーと銘柄を聞き取って、サイズを合わせて作ることで、ぴったりの使いやすい収納に。

ここにも収納アイデア

遊び心を大切にしたいという施主の希望を受けて、3カ所のロフトを設けた。子供用のロフトに繋がる階段前の扉は造作本棚を使った隠し扉に。毎日ワクワクしながら出入りできる。



《Point 2》素材変更でコストダウン 相反する希望を実現

古民家になじむ木製手すり 

リビングの中に設けたロフト。ご主人が希望したブラックでかっこいい感じのデザインと、奥様の古民家カフェ風というオーダーを両立させるため、手すりはご主人一押しのアイアンからあえて木製の造作に変更。色の希望を通しながら、あらわしにした梁など古民家カフェ風の全体のデザインになじませた。また、アイアンから木に変わったことでコストダウンもできた。



《Point 3》学校のプリントはここ!専用ボード

学用品が散らからないリビングに

子供たちが毎日学校からもらってくるプリント類。3人いると混ざってしまい散らかりがち。リビングの一角にボードを設置し、貼り分けて一目でわかるようにした。ボードの背面側には3人分の学用品を分けて入れられる収納スペースも。棚はランドセルと鍵盤ハーモニカが入る大きさを測って作成した。

▲背面側の収納も大容量



そのノウハウ、見習いたい!

【1】インテリアチャートとLINEでイメージ共有

施主の中でも希望のイメージがはっきりしていないことも多い。まずインテリアのテイストをチャートにまとめて希望のテイストを選んでもらい、それを基にパースを作成している。施主から気に入ったイメージ画像があればLINEで送ってもらうようにしている。「探すことで施主ご自身の好きなテイストがわかってくる」と蛭牟田さん。好みの方向性を共に作り、スムーズに設計を進める。


【2】家族全員の生活動線をヒアリング

間取り図ができたら家族一人一人の生活動線をヒアリング。朝起きてから寝るまでどこに行って何をするか図面に記入してもらう。それを基にどこに何を置く収納が必要かプランニングする。また、何をどれだけ持っているか爪切り1つに至るまで施主とともにリストアップ。すべてが入るように収納プランをつくる。



お話をうかがったのは…

住宅R工房(茨城県筑西市)建築デザイナー 蛭牟田展衣さん

不動産会社を経てリフォーム業界に。インテリアを学びたいと一念発起し、デザイン学校に入学。卒業後に手がけた物件がコンテストに入賞。入賞物件の内覧会で、仕事依頼が増加した。古民家のフルリノベーションを中心に手がける。



リフォマガ2022年6月号掲載



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