【THE SHOKUNIN】「仕事は楽しく」がモットー 自然体のコミュニケーションで連帯感を高める

【電気工事職人】安藤圭之介さん(38歳)

リフォームの営業担当者にとって、熟練の職人さんは大切なパートナー。今回登場するのは電気工事職人の安藤圭之介さん。電気工事士の育成や特別教育の講師としても活動している。



現場は来た時よりもきれいにして帰る

イベント会場のイルミネーションから、一般家庭の工事まで幅広い電気工事を手がけている安藤圭之介さん。最近はオール電化へのリフォーム工事や、電気自動車の充電スタンドの設置などの案件も増えている。

安藤さんが作業をする上で大事にしているのは「きれいに仕事をすること」。ケーブルを切断して外皮を剥くときには、小さな切れ端が出てしまう。安藤さんはすぐにそれを腰袋にしまい、床に落とさない。最後に掃除をしても、どこかにコロコロと転がっていることがあるからだ。

「それを見たお客様がどう思うかを考えます。来た時よりもきれいにして帰るのがポリシー。それが最終的に顧客満足につながると考えています」

▲ケーブルを切断したところ。細かい切れ端が散らからないように、安藤さんはすぐに腰袋に入れている



夜中のテナント工事には細心の注意を払う

商業施設でのテナント工事で、安藤さんが注意しているのは、POSレジのブレーカーだ。チェーン店の場合、通信で他店舗や本部とつながっているPOSレジのブレーカーを落としてしまうと、データが消去されてしまう恐れもある。そのため、通電しているかどうか、一つひとつブレーカーを確認しながら作業を進めている。

「テナントの工事は夜間に行うことが多く、判断に迷っても、担当者に連絡がつかないこともあります。その時は作業をストップすることも稀にあります。万が一、事故にならないように最善の注意を払っています」



自然体で話しかけやすい雰囲気作り

安藤さんは人とコミュニケーションをとる時に「自然体」を心がけている。話しやすい雰囲気を自分から作るのがポイントだ。

「こんなくだらないこと、質問していいのかな、と思うことがあるかもしれません。でも、その質問が非常に大切な場合があるのです。電気工事で不安や疑問に思うことがあれば、躊躇せずに、相談してほしいと思います」

「仕事は楽しく」をモットーにしている安藤さん。楽しくコミュニケーションが取れれば、仲間との連帯感が高まり、仕事への自信も高まって、スキルも向上すると考えている。



職人の育成に注力
身を守るのは「行動」がカギ

安藤さんが所属するさくら電気クリエートでは、「一般社団法人日本プロ電気工事士協会」を立ち上げ、職人の育成に力を入れている。電気工事士の試験対策の「さくら塾」や、建設業で必要な特別教育の講習を行なっており、安藤さんは講師を務めている。

「一番大切なことは、自分の身や仲間をどう守るか。実際の現場で重要になるのは行動です」と安藤さん。「事故が発生し、救命行為が必要になった時、自分が仲間を助けるんだという意識と、勇気を持って行動できるかが非常に大切です」

どんなに気を付けていても事故の可能性はゼロではない。

「現場で様々な経験をした人間の言葉は重みがある。我々だからこそ伝えられることが多いと思っています」と安藤さんは話す。

▲現場での安藤さんの装備。すぐに取り出せるように、腰に数々の工具を付けている。手袋は必ず装着する。感電はもちろん、けがをしないため。「銅線に触れると手を切りやすい。些細なケガもしないよう気を付けています」

▲ヘルメットはライト付き。「手元が暗くなる現場に入ることも多いので、ライトで照らしながら作業をすることもあります」と安藤さん



推薦の言葉

ワイエスシー ソリューションビジネス事業本部 新規ビジネス部 部長 井上和久さん

弊社は携帯ショップ運営のほか、横浜市SDGs認定企業として、法人向けのLED照明(省エネ)や自家消費型太陽光発電(再エネ)等の導入事業を手がけています。2年ほど前、電気工事を請け負ってもらえるパートナー企業を探していたとき、安藤さんと出会い、快く工事全般を引き受けていただけました。安藤さんには、クライアントのところにも同行してもらい、現地調査をはじめトータルにサポートしていただいています。

安藤さんはいつも細かいことでも丁寧に、かつフットワークよく対応いただきクライアントからの信頼も厚くとても助かっています。

これからも企業として長くお付き合いしたいと考えています。



安藤さんからリフォーム営業担当者にメッセージ

「こうしてもらうと嬉しいなぁ」

営業さんにも、電気工事の知識を少しでも持っていただけると嬉しいです。電気工事に限らず、建築全般の知識を持っている方は、「スーパー営業さん」だと思います。

知識が豊富な営業さんなら、専門的な工事用語でも、翻訳してお客様にわかりやすく説明してくれます。同時にお客様の要望も、私たち職人に的確に伝えてくれます。

職人とお客様の間に、「できる営業さん」に入ってもらえることで、工事は格段にやりやすくなりますね。



リフォマガ2022年11月号掲載

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『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

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