エクステリアもおしゃれでないと売れない時代に突入

2022年トレンド大予測!
必ず知っておきたい16のキーワード

年頭にあたり、リフォーム・住宅市場をリードする5名の識者に、住宅業界に関わる人が知っておくべき、最新のトレンドや展望について聞いた。テーマはキッチン、インテリア、エクステリア、性能向上(断熱・耐震)の4つ。計16のトレンドキーワードをピックアップし詳しく解説もする。2022年、変化の激しい住宅業界を生き抜くヒントになれば幸いだ。



エクステリアトレンド

アウトドア人気によっておしゃれな物置など新たなニーズも生じ、いかにもエクステリアという商品とは違うモダンなエクステリア商品が台頭していると話す、そとや工房の辻紗恵子チーフデザイナー。より建物との調和を意識されるようになった、最新のエクステリア事情について豊富な事例とともに聞いた。



キーワード11 小屋風物置

キャンプやBBQ、ガーデニングなどアウトドアの人気が高まり、物置にしまいたいものも増加する一方だ。それに伴い、物置の大型化が進み、デザインを重視する人が増え、三角屋根の小屋風物置が人気を集めている。


大型化することでデザイン重視の物置が人気に

そとや工房は、外構工事のほかエクステリア商品の販売を行う。商品の売れ方は、実店舗とECショップで少し異なる。滋賀・栗東市/彦根市、京都・京田辺市、大阪・高槻市の店舗では、シンプルなデザインのアウトドアファニチャーがよく売れる。都会ではKETERに代表される、リゾート風のファニチャーのニーズが強い。ハンモックも実は都会で人気だ。

地方では近隣住宅から浮きたくないという思いが強く、都会はよりデザイン重視で、リゾート感を求める傾向にあるのではないだろうか。

キャンプがブームだが、そとや工房のある地域では、自宅の庭でキャンプ気分を味わいたいという人は少ない。やはり近隣に気を遣うためだ。だが、キャンプ場に行ってのキャンプやBBQ、ガーデニングは人気がある。今、その道具を置くための物置のニーズが高まっていると感じる。

売れ筋なのは三角屋根と窓のある小屋風の輸入物置。一見、物置だと気づかないようなおしゃれなデザインが特徴で、作業場にもなったりする。国内商品だと、ヨド物置が出した赤と緑の限定色の物置も、数量限定だったためにすぐに売り切れて驚いた。消費者が物置におしゃれさを求めているのは確かだ。

物置のデザインにこだわるようになった理由として考えられるのが、物置の大型化だ。家の横の細い隙間に置くような小さな物置では物が収まりきらなくなり、視線に入る場所に大型の物置を置くようになったため、デザインが重視されるようになったのだ。住まいづくりの時に予め物置の設置場所を想定する人も増えているように思う。


三角屋根&窓付き!海外製のおしゃれ物置

▲子供の遊び場や作業小屋にもなるフレンチシェッド(フランス)の物置。PVC樹脂製

▲リアルな木目を再現したカントリー調のKETERダーウィン(イスラエル)

▲高張力鋼鉄を用いたシンプルな造形のユーロ物置(オーストラリア)




キーワード12 モダンなエクステリア

建物外観の意匠に合うようなモダンなエクステリア商品が、各メーカーから続々と出されている。建物とのつながりが重視されるため建物同様、黒、白、グレー、こげ茶などか好まれる傾向は2022年も継続するだろう。


家との調和を意識したエクステリア商品が増える

庭そのものは、ホテルライクにキレイ目につくりたいという人が多い。そして、以前より住まいとのつながりが意識されるようになった。

写真は、新築時にタイルテラスのみ施工されていて、後からオリジナルの屋根を付けた事例だ。ベースはタカショーのホームヤードルーフシステムで、外装に合わせてシックな木目調の仕上げをチョイスした。

この事例のように、エクステリアもシンプルでモダンな色が好まれる傾向にある。ポリカーボネートの素材感そのままだった各メーカーの商品の仕上げのバリエーションが増え、ハイグレードな商品も展開されている。シルバーが多かったサッシなども黒や白の選択肢が増えた。

外壁との調和が重視され、エクステリアでも黒、白、グレー、こげ茶色などが好まれる傾向は2022年も続くだろう。


タイルテラスに合わせてシックな屋根を設けた事例

元のタイルテラスの上に、タカショーのホームヤードルーフを基本に、L型に柱と梁を造作した屋根を付けた。側面の可動式ルーバーで目隠しをしながら風も取り込める。



キーワード13 デザインタイル

天然素材を模したプリントタイルの進化が著しい。色柄やサイズのバリエーションが豊富で、再現性が高いためにチープさが出ないのが特徴。天然素材と比べるとメンテナンス性も高いため、外構でお勧めしたい建材だ。


タイルが劇的に進化し外構デザインの幅が広がった

建材の進化も著しい。特に実感しているのが、タイルのプリント技術が発達し、色々なデザインを気軽に選択できるようになってきたことだ。

門柱を例にするとわかりやすい。3点まとまった写真1は天然石調タイルを用いた事例。本物の石のような再現性があり、堂々とした仕上がりになった。アルミ製の枕木風角材を合わせ、全体に汚れが付きにくく洗える素材で構成している。

▲写真1


写真2は横幅ぴったりの細長い木目調タイルで、横のラインを強調しスタイリッシュに仕上げた門柱。写真3は「焼杉板を用いたコンクリート打ちっぱなし」風のタイルを用いている。デザインタイルは選択肢の多さと、メンテナンス性の良さが魅力と言える。

▲写真2

▲写真3


一方で門柱と言えば「壁」という固定概念が崩れつつあるようにも思う。今後流行ると思うのが、サンワカンパニーの「オスポール宅配BOX」のようなシンプルなスモール門柱だ。シンプルな機能門柱は当社のECショップでも人気。デザイン性の高い商品も次々に誕生している。施工もお手入れもしやすい門柱商品も、ぜひ選択肢に入れてみてほしい。

▲左はLIXIL「スマート宅配ポスト」。右はサンワカンパニー「オスポール宅配BOX」、白や黒でまとめたエントランスにマッチするシンプル門柱だ


天然素材と見まごうプリント建材は手入れも楽

左官仕上げの門柱は汚れが付きやすく、天然石を用いた門柱はサビが生じるといった難点がある。天然素材を模したプリントタイルを用いれば、メンテナンスが楽なのも利点の一つだ。



お話をうかがったのは…

そとや工房(本社 滋賀県栗東市)滋賀県栗東店 チーフデザイナー 辻紗恵子さん

学生時代、産学連携のデザインコンテストでそとや工房を知り、その後入社。外構の仕事は立体的に空間を認識して、設備配管等の諸条件も加味しなければならない点が難しいが、そこがやりがいでもある。潜在的な希望を汲み取って、顧客にとって最善の提案をできるよう日々心掛けている。



リフォマガ2022年1月号掲載



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