壁の一面に異素材を用いて空間全体のデザイン性をアップ

人気プランナーに学ぶデザインの引き出し

~ジェントル(東京都世田谷区) 平田瑠衣さん~

プランにデザイン的要素を加えて、施主にアッと驚かれるようなリフォーム提案ができれば、口コミやリピート受注に繋がりやすい。成果を上げて自信がつけば、徐々に提案の幅も広げていけるはずだ。デザイン力を強みとするリフォーム会社の看板プランナー5人に、初心者におすすめしたいデザインリフォームの手法や、発想のコツについて聞いた。



壁の一面に異素材を用いて空間全体のデザイン性をアップ

賃貸住宅のリノベーションを多く手掛けるジェントルで、大胆な素材使いで個性的な部屋を次々に生み出している平田瑠衣さん。それぞれの素材の特徴や最適な使用シーン、施主を説得するリアルな3Dパースのつくり方などを聞いた。



大胆な素材&色使いで個性的な部屋が生まれる

壁の一面に有孔ボードを貼る手法を多用する平田さん。

「日本では実用的な面にフォーカスされがちですが、アメリカの家で壁一面に使われている写真をみて格好いいと思って、やり始めました」。

ピンクやブルーなどカラフルな色を塗れば、個性的でおしゃれな部屋が出来上がる。

ザラザラした質感のブリックタイルも大胆に壁一面に使う。一見主張が強そうだが、「基本的な考え方はアクセントクロスと一緒。部屋のトーンを合わせればうまくまとまります」。水回りにはツルツルのタイルを使用するなど両者を使い分けている。



おしゃれな店舗内装からインスピレーションを得る

通常のクロス仕上げと異なる素材特有の注意点もある。例えば、ブリックタイルは強度がありラフに使えるのが利点だが、ビスや釘が打てないので上にピクチャーレールを付けるといい。見た目の印象を考えるだけでなく、住み心地とのバランス感覚が必要だ。

平田さんは世界観をつくり込んだアパレルショップや美容院の内装をよく参考にするそう。

「天井や壁の仕上げをじっと観察して、限られた予算でも同じようなことができないか考えます」。



《手法1》自在にカスタマイズできる壁一面の有孔ボード

賃貸入居者が簡単に模様替えできる

アメリカ文化で多用される有孔ボード。印象的な色を塗り、壁一面に用いると独特の雰囲気をまとった空間が生まれる。専用フックを好きな位置に取り付けて、額を飾ったり棚をつくれる点もポイントが高い。事例はピンクに塗った有孔ボードを中心にまとめた賃貸の部屋。ターゲットが女性に限定されるが、これが差別化につながり入居に結び付きやすくなったという。



《手法2》光を反射するサブウェイタイルで変化をつける

太陽や照明の光を反射して空間が華やかになる

ツルツルの表面で光を反射するサブウェイタイルも壁一面に使うと効果的。事例は玄関からキッチンに至るまで、バスルームの外側をくるむようにサブウェイタイルを使用した例。油ハネの掃除がしやすいので真横にIHを持ってきている。


白地に黒のラインを入れ引き締め効果を出す

タイルの色を変えてラインを入れたり、アイキャッチをつくったりすることも。

▲ポイントでカラフルな色を使うとさらに変化が付く。

▲上の事例同様、キッチンの壁面全体に使えば掃除も楽々。



《手法3》ざらりとしたブリックタイルでエイジング感を出す

黒×グレーのモノトーンだとまとめやすい

グレーのブリックタイルと黒のキッチンで、モノトーンでまとめた部屋。ザラザラした質感のブリックタイルを壁一面に使うと、空間に深みが出る。サブウェイタイルと違い油がしみ込んでしまうので、調理場付近の使用はNGだ。



お話をうかがったのは…

▲ジェントル(東京都世田谷区) 平田瑠衣さん

特殊メイクの専門学校を卒業し、店舗内装やウェディング内装で経験を積んで、ジェントルに入社したという異色の経歴の持ち主。「つくり込んだウェディング内装を1日で壊してしまうのが惜しくて、ライフスタイルに寄り添えるリフォームの世界に入りました」。魅せる空間づくりが得意。



リフォマガ2020年11月号掲載



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