“10年前の物件なんですよ” 自信を持って言える高性能塗料を自社開発

施主の“やる気”を引き出す!外装営業のヒント

外装営業では、提案力や技術力、専門性をPRして顧客の工事への関心を高めよう。値引き以外の方法で営業力を高め、外装リフォームに成功しているリフォーム営業たちの取り組みを紹介していく。



商品力でやる気にさせる!

“10年前の物件なんですよ” 自信を持って言える高性能塗料を自社開発

約7割が松クラスの塗料を選択

「10年後も安心して営業出来る塗料を作りたい」と9年前より、宮古島での耐候試験を耐え抜いた高耐・高性能塗料『無機ハイブリッドチタンガードシリーズ®』を開発してきたPLジャパンの松川幸弘代表。この塗料を武器に、集客・商談手法も確立させ、ボランタリーチェーン・ペイントラインを発足。加盟店を募り、全国展開している。

外装営業において松川さんが大切にしているのは、アフターの際、自信を持って営業が出来る事だ。性能の低い塗料で塗装したために、施工から数年で既に劣化しまっている現場に多く遭遇した事をきっかけに、独自で塗料を開発する事を決意。また高性能塗料を納得して採用し、最終的に満足してもらうための商談方法も実践している。

その結果、顧客の7割は、耐候性能がある高価格帯の塗料を選び、顧客単価は150万円以上と高価格。高性能塗料の魅力を伝えるための商談ポイントを松川代表に聞いた。

▲自社開発した30年耐応塗料『無機ハイブリッドチタンガードシリーズ®』。長期間に渡って建築物の美観を保つ。超親水性効果で汚れが付着しにくく、塗膜が柔軟なので、ひび割れしにくい点が特徴。宮古島の屋外暴露試験場で耐久性が認められている。



【高性能塗料の商談 ポイント1】

10-20年と長いスパンで費用対効果を検証する

商談時は、塗料グレードに応じて、松・竹・梅と3パターンの見積書を提出。グレードによって耐久性レベルとコストがひと目で分かる表を用いて、高性能塗料を提案する事で約7割の顧客が高価格帯の塗料グレードを選ぶという。グレードの低い塗料は劣化も早く、10年もしないうちに塗替えのタイミングが来てしまう事、また30年以上の耐候性がある高性能塗料を使う事で、塗り替えの回数を減らし、最終的なコストを抑えられる事などを説明する。

「塗装費用の半分は、人件費と足場代で占めます。塗装の度に足場は組まなければなりませんが、足場代は資産になりませんよとお伝えします。」

長期的な視点に立ちサイクルコストを見る事が重要だ。

▲商談では、汎用品のアクリルやウレタン塗料と自社開発との塗料で、費用対効果をひと目で比較できるような表を用いる。



【高性能塗料の商談 ポイント2】

口頭で約束したサービス工事は結局感謝されない

松川さんは、契約書にはない、口約束で追加したサービス工事はトラブルの元になるので、基本的にNGとしている。

「よく営業マンは、契約が欲しいあまりに、玄関ドアや柱、ウッドデッキなどを“サービスで塗りますよ”と言ってしまいがちです。ただ実際に塗るのは職人。お客様は当然サービスの部分も他の部分と同様に綺麗に仕上がると思いがちですが、下地の状態等によって仕上がりに差が出てしまう事があります。ましてやサービス工事です。満足度の低い工事になり、“ココまで綺麗にしてくれると言ったじゃない”と、お施主様から言われてしまいます。最終的に“ありがとう”と言ってもらえない工事になってしまいます」

後々のトラブルに備え、打ち合わせシートの控えを本社で管理する。



【高性能塗料の商談 ポイント3】

対面での見積もり提出内容を正確に伝える

松川代表は、顧客とは、対面でのアプローチを重要視している。FAXやメール、郵送で見積書を提出すると、どうしても金額だけの勝負になる。

「どんなに良い見積書を作っても、相手は外装工事に関しては素人なので、内容を正確にお伝えする事が出来ません。合計金額しか見てもらえない事が多いので、“郵送で良いというお客様には、お見積りはお出ししていません”とはっきりお伝えします。商談はきっちり1時間を頂戴し、塗料や工事についてきちんと説明し、納得頂いた上で契約をして頂きます」



【高性能塗料の商談 ポイント4】

商談は必ず夫婦2人が揃った所で

見積もり説明やプレゼン等の商談は、必ず夫婦2人が揃った場で設定するようにしている。

「例えば奥様だけにご説明をして納得頂いていても、“主人に説明してからでないと契約出来ないから考えさせて”と言われてしまう事が多々あります。奥様に工事の熱意があっても、説明を受けていないご主人からは“もっと安い所があるだろう”と言われてしまい、また工事や金額について説明する時間を設定しなければいけなくなります」

“会えればいい”という意識で、夫婦どちらかのみと商談をしていると、どうしても、2回・3回と商談が長引き、優先順位が低くなる傾向に。結局他社に案件を持っていかれてしまいがちだ。

「クロージングの場において、営業担当者自身が熱を込められる状況に持っていかないと、印象に残る商談も出来ず、結果良いプレイヤーも生まれません。夫婦お2人が揃った場での商談は、営業活動においてのキーポイントになります」



お話をうかがったのは…

▲PLジャパン(山口県下関市)松川幸弘代表

厳しい耐候性試験を耐えたこだわりの塗料の提供や、営業活動を委託出来るボランタリーチェーン『ペイントライン』を全国に26店舗展開する。



リフォマガ2020年10月号掲載



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