オンライン商談攻略法
ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」等を用いたオンライン商談は、今後さらに必要となってくるはずだ。移動不要で場所に制限がなく、商談の効率化やペーパーレス化を実現できるなどメリットだらけだが、オンラインならではの注意事項もある。オンライン商談を積極的に取り入れ、成功を収めている先駆者たちに、失敗しないオンライン商談法を聞いた。
画像や動画を駆使したプレゼンで顧客の心を掴み、追加工事にまで発展
「オンライン商談はメリットだらけ」と積極的に活用する京滋リフォーム広の亀田佳明代表。互いの空気感が伝わりにくいのが最大の難点だが、出だしで顧客にリラックスしてもらう仕掛けをつくり、対面と変わらないナチュラルな打ち合わせを実現している。
表情は見えるけど目線は合わない
実は程よい距離感で本音が出やすい
今年1月末にオンラインの勉強をはじめ、2月末にZoomでオンライン商談を開始、4月11日に初受注があった亀田さん。5月に入り商談数は一気に増え、一般にも広くZoomが認知された6月以降は、毎日のようにオンラインで多方面とコミュニケーションを取っている。そんな亀田さんによると、オンライン商談はデメリットさえ克服すればメリットだらけという。
①移動時間や場所の制限がなく気軽。
②車や電車移動に伴うコストがかからない。
③録音録画ができ、確認と情報共有ができる。
④必要な時間だけ施工管理会社やアドバイザーが参加し退出できる。
⑤遠方の家族も打ち合わせに参加できる。というのがこれまでも説明してきた大きなメリットだ。移動がないと午前に2件、午後に3件など、対面時の2倍の商談も可能。また、移動不要というのは、子供が小さかったり、仕事で帰りが遅いという顧客との相性も非常に良い。さらに亀田さんは画面を介すことに様々なメリットがあると話す。
⑥前もってプレゼンする順番をパソコン内で用意でき、手元にカンペも置ける。
⑦画面を拡大したり動画を見せたり、見せ方の幅が広がる。
⑧仮想背景などで楽しめる、といったことだ。
⑨カメラはパソコン上部に付いているが、互いに見るのは画面なので、相手の表情はわかるけど視線は合わない。結果的にリラックスしやすいという意外なメリットもある。「面と向かって言いにくいことも言いやすかったりします」。
⑩営業マンは体臭や口臭、タバコの臭いなどを気にしないで済むのも大きい。⑪顧客側もお茶を出すなどの負担がなくなる。
対面を最低限にしてオンラインに誘う
スムーズなパソコン操作やカメラ写りなどのテクニック部分は、練習を重ねれば誰でも上達できる。亀田さんもウェブ上でZoom基礎講座を受け、何度もプレゼンの練習をしたという。互いの空気感が伝わりにくいというデメリットは、仮想背景を使ったなごませ術で見事にクリアした。
通常の亀田さんのオンライン商談への誘い方はこうだ。初回は30分だけ自宅に伺い、現調とメインの要望を聞くなど最低限の打ち合わせを行う。その際、Zoomの説明をして使用がOKだったら、その場で亀田さんの携帯電話と繋ぐ。急いで帰社して打ち合わせの続きをオンラインで行う。
「オンライン商談で玄関の床工事を即決いただき、2部屋をリフォームする追加工事にまで発展した例もあります。プレゼンに説得力を感じてもらい、新鮮味もあったようです。オンライン商談には大きな可能性を感じています」。
カタログを拡大して細部を見せて説得力UP
亀田さんの実際のプレゼンの様子。PDFのカタログを画面共有し、商品画像を拡大して見せると、紙のカタログより理解してもらいやすい。「体感としてより説得力があり、決定率が高くなるようです。リアルよりオンラインのほうが伝わりやすいこともあるのですね」。
亀田さん流なごませ術
打ち合わせの出だしで、Zoomに内蔵された仮想背景とオリジナルの画像を組み合わせて、背景をテンポよく切り替えて楽しんでもらう。宇宙やハワイなどの思いがけない場所に飛んだり、リフォームに絡めて「いい部屋」を見せたり獲った賞のアピールもする。
お話をうかがったのは…
▲京滋リフォーム広(京都府京都市)代表 亀田佳明さん
ナカノフドー建設、ミサワホーム勤務を経て、1991年に京滋リフォーム広を創業。生涯青春、常に前向きがモットーで、リフォームの仕事を天職と考え、日々打ち込んでいる。これまでの経験で得た知恵とアイデアで、顧客に喜ばれる最高のリフォームを目指す。
リフォマガ2020年9月号掲載
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