“予想外”への予防と対策を学ぶ
トラブル対応マニュアル
予期せぬ出来事に慌てない!あらゆるトラブル対応策
ちょっとした油断が命取り。小さなミスでも、大きなトラブルにつながりクレームになったり、施主や職人との関係性悪化の恐れがある。
そんなトラブルの種は一体どこにある?正しい初期対応は?対応策を知っておけば、大事になる前に対処できるはず。クレームを生まない働き方を学ぼう。
《施主とのトラブルの対応策》「言った、言わない」によるトラブル
【対策1】メールの返信を必ずもらう
施主とのやり取りは、必ず形に残るもので認識を共有する。打ち合わせや電話の内容は、複写式の議事録に記録する。時間帯、対応したメンバー、内容を記載し、必ず施主のサインをもらう。また、メールで送る際は、了承したことも返信してもらう。(アートリフォーム 森崎 昌則さん、谷口 直也さん)
【対策2】記憶に頼らず記録に残す
互いに記憶頼りにならないように書面に残すことを徹底。電話で話したこともメールを送り、記録に残す。契約時にも相違ないか改めて確認の上、サインをもらう。(クラスリフォーム 鳥井洋介さん)
【対策3】文字に出来ないものは絵で確認
施主が言ったことでわからないことがあれば、必ずその場で「もう一回戻っても良いですか」と話を戻して聞き、メモを取る。言葉では理解が難しいことは、簡単な絵に描いて認識の違いを防ぐ。その場で書けば施主にも記録が見えるので、違うことを書いていると指摘してくれることも。(ハイブリッドホーム 岡田美幸さん)
【対策4】視覚的にわかる写真資料
フローリングの張り方向など、言葉で細かな部分を共有しにくい部分は特に注意。品番などの他、張り方向、どういう段差がつくか、写真などの視覚的な資料も添付し、文字だけですまさないようにしている。(アートリフォーム 森崎 昌則さん、谷口 直也さん)
【対策5】着工前に動線の写真を撮る
工事後、傷や汚れが見つかるとトラブルの元に。工事起因でない傷で揉めないために、着工前に動線の写真を撮っておく。元からあったものだと説明すれば、施主も納得できる。(トマト 永浦善大さん)
【対策6】他社が話した内容もメモ
施主に、他の業者の言ったことを自分が言っていたと勘違いされて誤解が生じることがある。ヒアリング時に、他社はなんと言っていたかをメモしておくと、切り返しができる。(トマト 永浦善大さん)
【対策7】最終プランに手書きは残さない
設備機器のプラン変更は手書きでメモをするが、最終プランは必ずメーカーに再度提出してもらったものを関係者全体へ共有する。手書きでは、全てに反映されていないためにミスが起きることが多いからだ。(トマト 永浦善大さん)
【対策8】施主・営業・現場監督の3者打ち合わせ
言った・言わないは、第3者が増えると起きやすくなる。着工の1〜2週間前に、施主・営業・現場監督で現場に揃う最終チェックの場を設け、認識違いがないことを確認する。追加発注の可能性があるため、打ち合わせは着工直前にならないようにする。(リフォームワン 内藤正喜さん)
お話をうかがったのは…
アートリフォーム(本社・大阪府吹田市)
東京・横浜支店 支店長 森崎 昌則さん
中途で入社し、13年目。新店を起こすタイミングで2013年南大阪支店から、横浜支店に異動。現在は東京・横浜支店の支店長。現在は、主に管理職としての業務に従事している。
世田谷・杉並支店 支店長 谷口 直也さん
新卒入社し、10年目。6年目まで大阪で営業しており、7年目で大阪支店第2課支店長代理に。その後、2022年杉並・世田谷支店長を兼任。現在は、森崎さんと同じく、主に管理職としての業務に従事している。
クラスリフォーム(神奈川県横浜市)代表 鳥井洋介さん
高校卒業後、職人見習いとして現場へ。その後解体業や水まわりの営業などを経験し、3年前にクラスリフォーム代表に就任。
ハイブリッドホーム(本社・東京都千代田区) 岡田 美幸さん
インテリアの専門学校卒業後、新築の設計として働くが営業職に興味を持ち、リフォーム営業に転身。その後は4社で経験を積み、3年前に同社に入社。業界歴は30年程になる。 ここ3年間での大きなトラブルは一切ない。
トマト(北海道苫小牧市)営業部 部長 永浦善大さん
サブコンで現場監督業を経験したあと、リフォーム業界へ転身。トマトには入社19年目。現場監督職専任のスタッフを増員したことで、自身の売り上げは年間2億円以上に増えた。
リフォームワン(長野県上田市)営業部 部長 内藤正喜さん
入社20年目のベテラン営業で、昨年度の売り上げは1億5000万円。以前の一貫体制時代では営業・積算・デザイン・現場管理まで担当しており、現在は自身の営業と後進の指導にあたる。
リフォマガ2023年6月号掲載
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