選ばれるプランニングの秘訣~設備を変えずに造作棚でオーダーキッチン風

施主のこころをわしづかみ!
選ばれるプランニングの秘訣

ホームページやインスタグラム、ピンタレストで「なんだか素敵」に見えるプラン。センスがないから自分には無理…と諦めていないだろうか?実はベテランたちのデザインリフォームには、テッパンのプランニング手法が使われていた!使う建材、見せ方、組み合わせ方、洗練されたプランを参考に、プランスキルを上げよう!



《3 キッチン》
設備を変えずに造作棚でオーダーキッチン風

家族構成 : 20代後半夫婦+子ども1人

新築分譲マンション

要望 : キッチン前に、趣味のレコードや子どもの絵本を飾る収納棚がほしい。

   仕事の道具を見えないようにしまいたい。



壁パネル厚を利用した電源増設

キッチンにこだわりたい施主は多いが、予算的に厳しい場合、新しいキッチンを入れられないことがある。そんな時河合さんは、キッチンは既存のまま、収納・カップボードの造作を加えることで、機能を拡張している。ボリュームのあるカップボードをつくりつけると全体がこだわりのキッチンに生まれかわる。

デザインの起点となるのが木目とモールテックスの対比。「『木の質感がいい』と希望されても、むやみに使うとごちゃついて見えてし

まいます」(河合さん)。

コンクリ打ちっぱなしのようなラフな質感のモールテックスは、不燃性が高くキッチン向き。通常、壁の一面全てをモールテックス仕上げにすることが多い。しかし、河合さんは木目とモールテックスを組み合わせる提案を得意としている。モールテックスとの比較で木目が引き立ち、こだわりのキッチンの雰囲気がつくれる。

壁のパネルは壁から5cmほどの厚みを持たせ、新たに電源を追加した。家電を置く場所と作業台の手元にコンセントが来ることで、電化製品を使いやすくした。



【テッパン 1】木目とモールテックスで魅せるコントラスト

全面木にせず、モールテックスと組み合わせるのがポイント。互いに引き立て合う。


【テッパン 2】壁厚利用で見えない配線

家電の使い方を聞いた上で、必要場所に電源の確保をする。配線は5cmの壁厚を利用して隠している。


【テッパン 3】造作棚でデザイン&機能性アップ

収納場所不足は、オリジナルのカウンター棚で解消。「どこにどの家電を置きたいか」、使用イメージをヒアリングしてつくった。白いモールテックス仕上げにして、デザイン面にも気を遣う。

▲使い勝手に合わせて、開き扉、引き出し、スライド式収納とわけている。



お話をうかがったのは…

HAND creative factory(埼玉県さいたま市)河合宏幸さん

家具デザイナー・家具職人。イタリアの高級家具の製造に携わったのち、オリジナル商品の製造を志し独立。こだわりの木製家具を企画から設計、デザイン、製作、設置まで一貫して手がける。



リフォマガ2023年4月号掲載



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