見積書全員チェックで工事ロス撲滅 地道な企業努力で粗利率が倍に!

成功事例に学ぶ 粗利率改善ノウハウ

せっかく獲得した案件も、工事ミスや商品トラブルが相次いで、フタを開けたら、低い粗利率に愕然としたり、徒労感を覚えたりする事はないだろうか?ミスや失敗を防ぐ仕組みづくりを今すぐ行い、大切な粗利を確保しよう!



【成功事例 3】

マツミ(大阪府茨木市)宮脇美樹専務取締役

見積書全員チェックで工事ロス撲滅
地道な企業努力で粗利率が倍に!

職人のロスタイムに着目

「以前は職人を遊ばせてしまったり、商材発注も過不足が出てしまったりで、今の半分以下の粗利率の現場もありました。現場の体制をてこ入れし、粗利率を改善しました。」

こう話すのが、マンション工事を得意とするマツミ(大阪府茨木市)の宮脇美樹専務取締役。

現場改善は、経験年数があるベテランの施工管理スタッフを筆頭に、材料ロスはないか、職人を遊ばせてしまわないか等の観点で見積書や工程チェックを全社で行う事にした。職人は1つの案件単体で振ると工事内容によってロスが出てしまう。大きい現場と小さい現場を組み合わせる事で、効率的に動いてもらう事が出来る。見積書や実行予算は、社長を含め社員全員で第3者の視点で徹底チェックを行う。

「材料費をまとめて安く仕入れて、お客様に提供するという方法もありますが、心掛けているのはお客様に合ったものを提案する事。だから弊社は、暇な時期を除いて出来るだけ値引きやキャンペーンも行いません。目先だけの利益を追いかけないこと。職人に効率的に動いてもらい作業のロスや、材料の過不足をなくす等のコストカットのための企業努力を徹底しています。」



見積書は全社で共有
全案件を俯瞰して職人を差配

粗利を逼迫する要因は、材料のロスや段取りが悪く職人を遊ばせてしまうなども挙げられる。そこで同社では、顧客に見積書を提出する前に、全社で金額・工期・工事内容は妥当か?見積書の内容をじっくりと検討する時間を設けている。

「毎日沢山の現場が動いている中、現場の組み合わせ方1つで人工代が変わってきます。」

案件単体で見積もりを見るのではなく、会社で動いている全案件を俯瞰して見ることで、より効率的に職人を差配する事が可能になり、結果粗利率の確保に繋がる。

「職人にとっても仕事が途切れないというメリットがあるため、理解して頂く事が可能です」



施主=親兄弟だからこそ適正の利益を頂く

同社では「親兄弟の建物と思い塗らせて頂きます」というキャッチコピーを掲げ、行動指針にもしている。

「見積書はお客様の要望があれば何度も出しますし、疑問にもお答えします。お客様は、同じ材料なのに会社によって何で値段が違うのか?ぼったくりなのではないか?と不安に思われている方がいます。何故この材料でこの工事を行うのか、専門用語を使わず分かりやすく説明する事を心掛けています」

お客様の話をしっかりと聞く、丁寧にヒアリングする、レスポンスを早くする、当たり前の事をコツコツ行う事で信用・実績に繋がる。

「それだけの事をしてもらえるのなら、と適正価格で工事をして頂けるようになるのだと思います」

▲年に2回郵送するニュースレターは、毎回趣向を凝らしたデザインで。半沢直樹やパイレーツオブカリビアンなど話題の作品をモチーフに。顧客からも好評だ

▲養生シートにも「親兄弟の建物と思い塗らせて頂きます」のキャッチコピーを

▲女性スタッフ専用の作業服も可愛いと評判



オーナー向けの優待サービスも

今年の春からは『親兄弟メンバーズ』という、マンションオーナー向けのメンテナンスサービスもスタートさせた。「ブロック塀が壊れた」「ゴミ置き場の掃除を頼みにくい」といった、誰に相談したらいいか分からない悩みに応じて、市場より20~25%低い価格で提供するもの。

またYouTubeを使ったセミナーや内覧会・バスツアー、オーナー同士の交流会など、様々な特典を用意している。現在、全国で100名ほどが、親兄弟メンバーズに加盟している。




お話をうかがったのは…

▲マツミ(大阪府茨木市)宮脇美樹専務取締役

2009年に入社し、2014年から営業活動をスタート。当時、2億円弱まで落ち込んでいた同社の売上を、実松社長の下、約5億円までV字回復させた。営業活動の他、販促企画も担う。



リフォマガ2021年2月号掲載



⇓⇓同じテーマの記事を読む⇓⇓

年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000