KURASHIをたのしむVol.15 20匹のペットとワクワクが止まらない隠棲生活

野中くれあさんは奥多摩に中古住宅を買って1部屋を飼育部屋にリフォームし、犬、にわとり、トカゲなど20匹を飼育する。野中さんにとってペットは「栄養ドリンクに近い」と話すほど、生きる活力になっている。家を購入した経緯やペットとの住まいについて聞いた。

▲全国賃貸住宅新聞社(東京都中央区)記者 野中くれあさん

1992年生まれ。山口県出身。大学では日本文学を専攻。編集プロダクションに勤務後、出版社や金融業を経て、今年2月から全国賃貸住宅新聞社で働く。2019年夏より奥多摩の持ち家で暮らす。趣味は読書。ポケモングッズや矢立のコレクター。狩猟免許取得を目指す。



実は動物アレルギー

「ペットたちがごはんを食べているときが一番可愛い。もっと美味しいものを食べさせてあげたいと頑張る気になります。私にとってペットは、〝栄養ドリンク〞というのが近いのかもしれません」と野中くれあさん。2年前、奥多摩に中古住宅を購入して1部屋を飼育部屋にリフォームした。オオトカゲや蛇など爬虫類を中心に2匹の犬、にわとり、ネズミなど20匹と暮らす。トカゲに噛まれ手がクリームパンみたいに腫れて病院に行く羽目になったこともある。

実は野中さんには動物アレルギーがある。そのため、2歳のころ沖縄・石垣島に住んだ際に、レンタルでヤギを飼った経験はあるものの、家では基本的に動物を飼うことは禁止されていた。

社会人となり千葉県のマンションで暮らすようになると動物への思いが爆発した。「ようやくペットを好きなように飼えるんだというワクワク感です」。

まずアレルギーが心配ない爬虫類から飼い始める。池袋で開催される「エキゾチックアニマル(犬、猫以外のペット動物)」の展示即売会で少しずつ買い増やしてきた。ラットの繁殖で一時はネズミだけで20匹にも増加。そのうちウズラを飼い始めたが、近所へ鳴き声が気になり転居を考えるようになった。

▲自家繁殖したひよこ



ペットのためのリフォーム

今住む家は、奥多摩町が空き家の利用を希望する人に物件情報を提供する制度「空き家バンク」で見つけた。建坪約45坪の2階建て6LDKの中古住宅。住宅購入とリフォームで750万円掛かり、その中の200万円は町から助成を受けた。「ここは、自由に動物を飼うことができて都心に通える場所。私は中世文学が好きで鴨長明の隠棲生活に憧れていたから」と話す。

以前はごみ屋敷だったそう。床は一部抜け落ち、天井などには雨漏りのシミ、壁もカビが生えていた。さらに、町が物件の管理を委託している会社から紹介されたリフォーム業者と見積書でトラブルになり、別の業者に頼むことになるなど、問題は山積みだった。

主に飼育部屋とキッチンにリフォーム代300万円のほとんどを費やす。飼育部屋はガレージだった空間をリフォームした。壁には断熱材を入れコンクリートパネルを使い、床は店舗用のクッションフロアを敷き、保温性も優れる置き床式にした。ペットの洗い場として120cm幅のシンクも備える。予想外の雨漏り対策に費用がかさみ、書斎の床は野中さんが貼ったという。

家を訪れた友人からは、猟師さんからもらった鹿の角が庭から突き出ていたこともあり、「秘密基地か子供部屋みたい。周辺に骨が落ちていて怖い」と言われたそうだ。

「資金が限られるので手を入れながらなんとか生活している感じ。キツネに鶏をほぼ全滅させられたのもあって、古い鶏小屋を取り壊して、新しい鶏小屋の設計を考えているところです」。

なかなかハードそうだが、野中さんが待ち望んだペットたちとの理想の暮らしだ。今後、リビングのクッションフロア貼りと二階の和室のフローリング施工、庭作りをDIYでする予定だと楽しそうに話す。

▲ガレージだった空間を飼育部屋に。奥多摩は寒いため壁に断熱材を入れて、壁紙の代わりに掃除が楽な撥水性のよいコンクリートパネルを使用。床は土足でもよいクッションフロアを敷き、置き床式にした。エアコンも設置

▲購入したころの建物の外観。変更した点はないので今も外観はそう変わらない

▲飼育部屋に動物の洗い場用として120cm幅のシンクを備えた

▲書斎は棚差しが終わっていない。スチール本棚に入れ替える予定で、まだしばらく本は段ボールの中に。床は野中さんが貼った

▲新しいキッチンを入れ、雨漏りを修繕し、壁紙を張替え、クッションフロアを貼った



リフォマガ2021年7月号掲載



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