マンションリフォームの基本③‐1~現場調査、ここに気を付けよう~

マンションの現場調査では、一戸建て住宅のように床下や小屋裏に入って下地の状態や給排水管の状態を確認することができない。図面と照らし合わせながら「たたいて音を聞く」「点検口があれば覗く」「畳を上げて下地を確認する」ことが基本だ。


■音で下地を確認

下地の状態により音が異なるので、とにかく叩こう。マンションリフォームで多い「壁を撤去してリビングと現和室を一体化」する場合は図面を見ながら撤去する壁を端から端まで叩こう。軽い音と重たい音の境があればどこまで開口できるか判断できる。建具の上も忘れずに。



■搬入経路の採寸

大きいものを搬入する場合はエレベーターの中や搬入経路の寸法を確認しよう。既存と同じサイズの住設機器であっても、マンション建築時は搬入できたがリフォーム時は間仕切り壁があるため搬入できないということもある。



■床リフォームの注意点

マンションの床で最も問題になるのはフローリングの遮音性能だ。現状フローリングが貼られている場合は、①踏むとフカフカするフローリングが貼られている場合と、②クッション性が無いフローリングが貼られている場合の2通りがある。クッション性がある床材は、床材自体に遮音性があり「直床」や「根太工法」といった、遮音性能が無い床下地の仕上げ材として用いられている。また硬いフローリング材は二重床の下地そのものに遮音性能がある場合に用いられるのが一般的だ。だが古い建物になると、床材にも床下地にも遮音性が無いこともある。また1階の住戸には床の遮音性を求めていないマンションも多い。

直床


二重床



■窓リフォームの注意点

マンションのサッシは共用部分のため、勝手に工事することはできないが、内窓は専有部分に取り付けるため問題なく設置できる。また共用部分であってもサッシ枠はそのままでガラスのみ断熱ガラスに交換する工事が増えている。耐風圧強度が高い「真空ガラス」なら交換可能なケースが多いので確認の上提案しよう。マンションでは耐風圧を考慮する必要があるので、既存のガラスより弱くならないよう現場調査では仕様書を確認したり、ガラス厚測定器で厚みを確認する必要がある。



【アドバイス】間取り変更時は思わぬ失敗やトラブルに要注意

間取りを変更した際に、火災報知器やスプリンクラーの移設忘れを経験した事があります。解体する予定だった壁が壁式構造のコンクリートであることが解体時にはじめて判明し、プラン変更になりました。また、間取り変更で壁を撤去したところ、エアコンを設置する場所がなくなったり、廊下をクランクさせたところ、ソファが玄関からリビングまで入らなくなりクレームとなった経験もあります。

マンションの現場調査では、給水・給湯・排水管及び換気ダクトがどこを通っているかを、管理室に立ち寄り、マンションの竣工図を確認します。また水廻り設備等に関して、サイズ、梁との干渉の有無、給排水管とのつながり方等の把握をします。その他、床鳴りや沈み込み、傾斜の有無があれば床リフォームの提案につなげ、カビや漏水跡の有無の確認、お客様の家具や荷物の量の把握に努めます。



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