マンションリフォームの基本②~建物の特徴や詳細を確認しよう~

マンションのリフォーム計画は、躯体の特徴や給排水の経路など、表からは見えない部分を確認することから始まる。工事が始まってから想定外のことが起こらないよう、構造による特徴を踏まえた上で、図面の確認をしよう。


■「壁式構造」と「ラーメン構造」

建物を構成する材料でマンションを分類すると、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、他に古い物件に見られる鉄骨造(S造)に分けられる。

一方リフォームを計画する上で確認したい構造の違いは、「壁式構造(壁式鉄筋コンクリート造)」の建物か、「ラーメン構造(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造)」の建物かということだ。一般的に低層マンションは「壁式構造」、中高層マンションは「ラーメン構造」と覚えておこう。


【クローズアップ】

◆「 壁式構造」

壁面と床面の箱型で建物を支える構造。住戸内に撤去できない構造壁が各所にあるため、間取り変更では制約が多い。室内に柱型や梁型がでていないことで見分けがつく。(但し、換気ダクトを通すための梁が出ていることもある)


◆「 ラーメン構造」

柱や梁を緊結して建物を支える構造。柱型や梁型が室内に出てくるデメリットがあるが、室内のほとんどの壁を撤去できるため、間仕切り変更しやすい。



アドバイス① 顧客のタイプに応じて臨機応変に提案方法を変える

お客様のタイプに応じてご提案の方法を臨機応援に工夫するようにしています。間取りや予算重視のお客様にはプラン中心でお話することもあれば、デザイン重視の方にはイメージスケッチをたくさん書いてお見せする場合もあります。またこちらの考えを押し付けるのではなく、お客様がリフォームしたいと考えた当初の「想い」を壊さないように心掛けています。

またプロとしての目線も大切ですが、私自身も家庭を持つ身であることから、その経験から生まれるご提案をすることもあります。特に小さなお子様がいらっしゃるお客様でしたら、お子様の成長を見越した間取りや収納のご提案はとても喜ばれます。


■詳細図面を入手しよう

お客様が持っている図面は、分譲時のパンフレットに載っている平面図であることが多い。寸法線や柱、梁、耐力壁の情報や電気設備等、基本の情報が記載されてはいるが、換気ダクト・給排水管の経路や床スラブから床までの高さなど、工事で必要となる情報を知るためには、管理センターで詳細図面をコピーさせてもらう必要がある。コピーが撮れない場合は写真を撮ろう。



【クローズアップ】マンション竣工図面から、必要な図面を入手しよう

◆「 平面図」

詳細の寸法の他、床スラブから床面までの高さや構造躯体の範囲、梁の位置、コンセントやスイッチの位置等を知ることができる。

図面に「+100」などの表記がある場合、床の高さとの関係がわかる。「SL+100」はスラブレベル+100が床面の高さ、「FL+100」は基準となる床面から床が100ミリ上がっているということがわかる。

〈壁式構造の例〉

〈ラーメン構造の例〉


◆「 展開図」

 壁面ごとの高さ関係がわかる。例えば建具・窓・天井高さ・梁の大きさなど。


◆「仕様書」

仕上げ材の情報の他、下地、設備機器、建具等、竣工当時の品番が記載されている。


※他に必要に応じて「給排水設備図」「換気設備図」「電気配線図」



アドバイス② 制限のある空間をこだわりプランニング

マンションリフォームのプランニングでは、洗面とキッチンの2WAY、2部屋から入れるウォークスルークロゼット、アイランドキッチンによるリビングとの繋がり等を意識しています。また子供部屋の用途で、ロフトベッドや稼動間仕切り家具などと共に、1部屋を2部屋に分ける提案をよく行います。

また玄関横の一部を玄関収納として取り込む提案もよく行います。収納量拡大と共に玄関も広くなり喜ばれます。畳の下を収納にした小上がりの和空間もよくおススメします。



アドバイス③ 配管の状況や建物の構造に注意

配管の状況には注意しています。戸建てと違い配管の移動には制限がありますので、配管ルートをきちんと計画しプランニングしています。あとはRC造の中でもラーメン構造・壁式構造・逆梁工法・ボイドスラブ工法など様々な構造がありますので、建物の構造によって出来る事・出来ない事の見極めをしてから計画を立てさせて頂いております。



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