最新プレゼン手法徹底解剖~専用ツールで緻密な提案 HPから受注率7割実現

今、プレゼンに長けた営業パーソンはどんなことを心がけ、実行しているのだろうか。本特集では、様々なツールやテクニックを用いたプレゼンで、プランの魅力を余すことなく伝え、他社との差別化を叶えて成果を上げている4事例を取り上げる。最新の営業ツールを用いたり、あえて手描きパースを駆使したりとその手法は多様だ。



専用ツールで緻密な提案
HPから受注率7割実現

専用ソフトに初めて触り、「こんなの絶対できないと思った」という四葉建装の営業事務の佐久間楓さん。今ではこだわり満載の報告書で、同社の受注の要として大活躍している。


佐久間さんの使用ツール
住宅営業支援システム「ALTA Revolution」

建築CADと違い、商談段階で利用し、受注を獲得するためのツール。プラン作成からプレゼン、積算・見積、設計、法規チェック、伏図・構造計算までを網羅。コンピュータシステム研究所製。



30枚の報告書を1時間以内で作成

外装工事をメインで取り扱う四葉建装。佐久間さんは、営業が行った現地調査結果を受け、施主向けの報告書の作成を行う。入社1年半で専用ツールのALTAを使いこなし、30枚にも及ぶ報告書を30分〜1時間ほどで仕上げる(パース作成時間は別)。「良かったのが、メーカーさんの3時間のマンツーマン講習。1年間に3回受けて疑問点はほぼなくなり、様々な手法も取り入れることができました」。

細かい現地調査の結果は写真満載で見せていく。「フォーマットにドラッグ&ドロップで簡単に画像を当てはめていけるので楽です」。

パースはまず、図面の数値を打ち込んで土台をつくる。これで、塗料や外壁の張り替え、屋根の葺き替えなどの数量が正確に出せる。続いて、四隅からのドローン画像を参考にそっくりなビジュアルに仕上げていく。

四葉建装では、月20〜30件のHPからの問い合わせに、必ずパース入り報告書を作成。その受注率は7割にもなっている。



佐久間さん作成の報告書の全貌を公開!

1. 手書き風パース入りの表紙でスタート!

ALTAで作成したパースは、ワンクリックで手描き風パースに変換可能。佐久間さんは、一筋の光が差すぬくもりある雰囲気に仕上げる。


2. 出だしは6枚ほどのパースで魅せる

つかみとして、まずは精巧な外観パースを見せる。エクステリアなど周辺環境も再現するのが佐久間さんのこだわり。


3. パースでわかりやすく部位ごとの数量を出す

塗装工事の相見積もりで勝つためには、使用する塗料や建材の正確な数字を出すことが必須だ。パースで明確に部位を示して数量を出すことで、受注率は格段に上がる。


4. ドローン撮影した全方位の全景写真

四葉建装では、現地調査で必ず全方位のドローン撮影を行う。屋根を含む家の隅々までを広域で撮影でき、パースや写真中心の報告書を作成するために大いに役立つ。


5. 外壁で使用されている建材の特徴を解説

施主宅で使用されている建材の種類と特徴を詳しく書いたページ。メリットを赤字、デメリットを青字にするなど、感覚的に理解しやすいように工夫されている。


6. 外壁の現在の状況を報告

簡潔な短いテキストと、それに合う写真を大きく載せて状況報告。「私も素人なので、建築を知らない人でも理解できることを意識します」。改修提案も同じく簡潔に。


7. 不具合箇所は拡大して見せる

6でまとめて掲載していた不具合箇所を、1カ所1ページで思い切って大きく見せていく。これなら高齢の施主でも見やすいはずだ。


8. シーリングの状態も全て写真で見せる

目地やサッシのシーリングの状態は、1ページにまとめて報告。もちろん全て写真入りだ。特徴的な写真については、7のように1カ所1ページで個別にも見せる。


9. 付帯状況は部位を赤で囲んで明確に示す

付帯状況の報告で佐久間さんがこだわるのが、該当箇所を赤線で囲むこと。「破風板や鼻隠しなど専門用語を見て、写真のどこか私自身がわからなかったからです」。


10. 塗装ができない箇所も写真入りで説明

塗装できない箇所を明確に示しておかないと、後々トラブルになりかねない。報告書の段階から、写真入りで理由を説明しておけば安心だ。

→外壁と同様(5~9)の「屋根の説明」に続く



佐久間さんオススメの機能

パースの「日当たりシミュレーション」

内装工事の提案では、ビフォーアフターのパースを作成する。その時に役立つのがALTAの「日当たりシミュレーション」だ。下の事例では、少し暗い印象だった和室が、明るい洋室になるとシミュレーション。比較するとインパクト大だ。そして、「竣工すると、シミュレーション通りに明るい部屋になるんです」。



お話をうかがったのは…

四葉建装(本社 千葉県四街道市)営業事務 佐久間楓さん

以前は接客業に従事しており、入社前に半年間パソコン教室に通い、エクセルとワードの検定資格を取る。入社直後にALTAが導入され、メーカー講習とオペレーターへの相談を重ねて、1年半で30枚程度の報告書を30分~1時間程度で仕上げられるまでになった。



リフォマガ2022年11月号掲載



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