リフォーム現場のトラブル解決
リフォーム解体新書
第3回 洗面所リフォーム(前編)
ドキッとする“解体あるある”を集めました
「工事現場は場数を踏んで覚えるもの」と言われますが、現場の数だけ発見があると言えるくらい個々に違いがあります。中には「解体してびっくり!」ということもあるでしょう。
そこで、場数をたくさん踏まずとも「見えない必要工事」を予測できるよう、工事現場にありがちな解体あるあるを集めてみました。
今回紹介する事例の中でも事例3の「浴室入り口の敷居がフカフカだった」は、敷居から水がまわりこんで床の構造躯体まで腐っていることもあり、予想しなかったような大きな工事につながることもあります。油断せずにしっかりと事前調査をすることが大切です。
《事例 3》
浴室入り口付近の床下地が傷んでいた
洗面所床のCFシートをはがしたら、下地が真っ黒!
洗面所の床に張ってあるCFシート(クッションフロア)を剥がしたところ、床下地が黒く変色していて床の傷みに気が付いた…という事例です。CFシートは下地が傷んでいても変色しないので、現調時に見逃してしまうこともあります。床下からの湿気の場合もありますが、多くは浴室入り口の敷居付近からの水のしみこみです。ひどい場合は床下の構造材まで水が廻っていて傷んでいたり、シロアリを呼んでしまっていることもあります。
【解決策は?】原因を突き止めた上で腐食部分を修理する
まずは床下地の変色の原因を突き止める必要があります。床下点検口から床下に入り、被害の状況を確認します。浴室と洗面室の間の基礎が黒ずんでいて周囲の木材に変色があれば、浴室入り口付近からの水がしみこんでいると考えられます。次に被害の状況を確認しましょう。シロアリ被害はないか、交換が必要な構造材はないかチェックします。床下の構造材まで水が廻っていなくても浴室入り口の敷居を交換する際は、樹脂など水に強く腐食しない素材のものを選ぶと安心です。
【どうすれば事前にわかる?】洗面室単独工事の場合も浴室入り口の敷居をチェック
例え浴室工事を伴わない洗面室単独の工事であっても、浴室入り口の敷居の腐食を確認しましょう。踏んでみてフカフカしていれば周囲にまで水が廻っている心配があります。フカフカしていない場合でも、敷居の入り隅が黒くなっていたら要注意です。施主は敷居がフカフカしていることに気が付いていても、浴室の交換工事をしないと解決しない問題だと思い込んでいて話に出さないこともあります。
[こんな現場もあります]
外開きの浴室ドアは敷居が傷みやすい
浴室の入り口ドアは内開きとは限りません。浴室側から洗面所側に開く外開きの場合もあります。
浴室内に扉を開くスペースがとれなかったり、階段下の浴室で内開きドアでは斜め天井に接触するなど、外開きになった理由はさまざまですが、浴室入り口の敷居が傷みやすいという問題があります。ドアの浴室側はシャワーの水や湯気で濡れているため、外に開くと水滴が敷居や洗面所の床に滴り落ちてしまうのです。外開きの浴室ドアは、内開きよりも敷居が腐食するリスクが高いということです。
リフォマガ2023年7月号掲載
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