春は塗装で稼ぐ!繁盛店の売上アップ術
住まいの美観を保ち、建物を長持ちさせる塗装リフォームは安定した需要があり、コロナ禍においても影響が少ない領域だ。そのため、新たに塗装事業に参入するリフォーム会社も増えている。
気温や湿度が安定して工事がしやすいこの春、塗装リフォーム提案に力を入れてみてはいかがだろうか。5社の繁盛店を取材し、現地調査のポイントや見積書のつくり方、プレゼン法、集客術、ショールーム活用法などの最新ノウハウを紹介する。
意匠性の高い事例が広告塔!依頼が次々と舞い込む
叔父が塗装業を営み、少年時代から塗装業に興味があったというhinataの斉藤大信社長は、10年間の現場経験を積んで塗装専門店「ひなたペイント」をオープン。新しい塗料や商品を次々に取り入れ、工夫を凝らしたショールームを開設し、提案力の高さで成約率7割強という快進撃を続けている。
展示物で差別化を図った独自のショールームづくり
他の塗装会社のショールームを見て回り、ショールームづくりの作戦を練ったという斉藤社長。現在生駒市と橿原市に20坪と31坪のショールームを展開し、2022年2月には、奈良市内に3店舗目の10坪のショールームをオープンする予定だ。
目指したのは、他にないような具体的な情報を得られるショールーム。例えば、既存宅に多い構造の壁を模型で実際につくり、モルタルやリシン、ジョリパットといった仕上げ材を実際に見てもらいながら説明をできるようにした。
塗料は単なる商品説明にならないように、漆喰入りの塗料や、最新ローラーを用いて複数の色を重ねた塗装の色見本を置くなど、デザインを見てもらう工夫をしている。
現状ではデザイン塗装によるプラスαの施工の手間賃は乗せずに原価ベースの提案を行う。「不要と言っていた施主のほとんどが、原価ベースだとやりたいと変わります」。これは宣伝効果を狙ってのこと。新規顧客を施工事例の家に連れていき、見てもらうと効果抜群だという。
ただし、全ての顧客にデザイン塗装を勧めるわけではなく、どんな色でもいいという施主には在庫で対応。あと10年だけもたせたいという施主には、屋根と目地の補修だけの、最小限の工事に留めたこともある。単価を取るのではなく、「安くていい仕事をする」という長期的なブランディングを図る。「利益至上主義ではなく相場内で契約し、5年後にもありがとうと言ってもらえることを重視しています」。
現在、ひなたペイントには6名の営業担当者が在籍。月80〜100件の引き合いがあり、成約率は7〜8割を維持している。2月決算の今期は売上6億円を見込む。将来的には年商10億円、奈良県で一番店を目指す。
明るく広々とした31坪の橿原ショールーム
必要なものを絞り込んで展示し、白で統一されたすっきりと明るいショールーム。写真手前が打ち合わせスペース、奥が展示スペースだ。目の前にショッピングモールがある立地で、道に面してオリジナルキャラクターの大きな垂れ幕を下げている。
《ショールームの流れ》
1. まずは椅子に座って打ち合わせ
まずは打ち合わせスペースへご案内。簡単な自己紹介とヒアリングを行う。椅子から見える位置には、営業担当者の自己紹介パネルも置いてある。さらに、写真を見せながら屋根や壁の劣化についてレクチャー。
2. 家模型を見ながら解説&ヒアリング
続いて、打ち合わせスペース横の、実物のスレートやモルタルなどを張った家模型へ。「うちはこれだ!」と自宅に何が使用されているか把握してもらえる。色見本も見ながら、屋根や外壁の建材の特性について解説。
3. 塗装カタログ&ローラーで塗装について解説し、実際の色見本を見てもらう
白い台の上には、デザイン塗装の専用ローラーやカタログを展示。「塗装一つでこんなにできるのだと食いつく人は5割。ワクワクしてもらうことも大切」。最後に壁一面に展示した塗り壁見本を見てもらう。
近隣住人に「張り替えた?」と聞かれるグラデーション仕上げの塗装事例
外壁に陰影や立体感を与えるグラデーション仕上げの施工事例。通常の塗装の上に、さらにグラデーションを出す仕上げ塗りを施す。見た目が明らかに変化するため、施主が知人に「張り替えた?」と言われることも多いという。
HPやブログで随時最新事例をアップ
ひなたペイントではHPとブログで最新事例を頻繁にアップするようにしている。これも大切な宣伝活動だ。「手間がかかるので他社がやらないような塗装事例は、やはり反響も多くなります」。
お話をうかがったのは…
hinata(本社 奈良県香芝市)代表取締役 斉藤大信さん
専門学校卒業後、塗装会社で10年ほど営業や現場管理を経験して2015年に独立。塗装専門店「ひなたペイント」を運営するhinataを設立する。3年ほど前からオリジナリティ溢れるショールーム戦略を開始し、現在7割以上の成約率を上げている。
リフォマガ2022年3月号掲載
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