現場調査のコツ~ドローン現調で情報共有300枚の写真でミス防ぐ

「頼みたい!」と思わせる現場調査のコツ

短時間で正確に、漏れなく調べ上げることが求められるリフォームの現場調査。採寸や撮影など調査だけに終始せず、施主の要望が実現できるかその場で判断したり、現況をわかりやすく共有することで、一気に信頼を得られる。そんな差別化できる現場調査の工夫をリサーチした。



ドローン現調で情報共有
300枚の写真でミス防ぐ

リホーム絆(東京都東村山市)

即座に部材の特徴判断

屋根・外壁塗装をメインにリフォーム事業を展開。代表の木村さんは以前大手リフォーム会社でアフターを担い、4000件以上をまわり多くの不具合を見てきた。問題点と向き合う中で部材の知識を蓄えたことが今に生きているという。

「塗り方、使用量、この年代ならこの部材といったことを、現調でも即座に考えます。マニアックかもしれません」(木村さん)

一昨年から、屋根診断にドローンを導入した。自動操縦で測量。割れや苔、剥がれなど劣化部分は、手動に切り替えて近寄って撮影することで重点的に確認。リアルタイムで顧客に共有でき、はしご不要なのがメリットだ。外壁はiPhoneで写真を300枚程度撮影する。見返した際にどこを撮っていたのかわかるように、連写するのがポイント。

木村さんは「数量のミスよりも、間違った工事の提案が一番してはいけないこと。現況を正しく把握するために、写真は重要です」と話し、他の営業が撮影した写真も、すべて自身でもチェックする。現調には30分〜1時間程度を要する。

▲現場写真はコマ送りのように連写する



動画で不安・疑問解消

現調には、自作のアイテムも用いる。例えば、サイディングが直張りかを調べるため、千枚通しの先が曲がったような棒を使う。差し込んで引っかかりがなれば直張り、といった具合に判断する。雨漏れ調査では、水の流れを調べるために、塩化ビニル管をアレンジした散水装具を作った。こうした所にも、木村さんの研究熱心な部分が現れている。

劣化状態などは診断書に記載。内容を動画にまとめた「ビデオ診断」のDVDを渡す。調査の流れがわかるので、新人営業の教育ツールにも活用している。また、部材ごとの特徴をまとめた独自の説明書を併せて渡すこともある。想定される対処策や塗装可否など部材ごとにまとめられている。

▲カタログの他に用いる説明書


失敗・後悔しないために見て欲しいと、YouTubeで情報発信も始めた。塗料の違い、適正時期、注意点などを、ユーザー目線で解説。2万回以上再生されている動画も。現調前に顧客へ視聴を促すこともある。「リホーム絆がどんな会社か、どんな工事をするのか、知ってもらえるので、訪問時の距離感も近くなります。リフォームへの間違った認識を正すのにも一役買っています」(木村さん)

▲一般ユーザー向けに開設した自社のチャンネル。外壁塗装を考えた時に、ユーザーにとって知っておくとメリットがある内容を更新している



オリジナルの現調ツール

自作の散水道具。無いものは探したり作ったり、現場が円滑に進むように工夫を凝らす。



お話をうかがったのは…

リホーム絆(東京都東村山市)代表取締役 木村 正さん

不動産・注文住宅販売等で住宅に携わり、リフォームの必要な物件の多さを実感し、リフォーム業界へ。大手リフォーム会社の営業及びアフターサービス事業を経て2016年に独立、同社を設立した。



リフォマガ2022年2月号掲載



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