現場調査のコツ~オリジナルのチェックシートで新人でも抜け漏れなし

「頼みたい!」と思わせる現場調査のコツ

短時間で正確に、漏れなく調べ上げることが求められるリフォームの現場調査。採寸や撮影など調査だけに終始せず、施主の要望が実現できるかその場で判断したり、現況をわかりやすく共有することで、一気に信頼を得られる。そんな差別化できる現場調査の工夫をリサーチした。



オリジナルのチェックシートで新人でも抜け漏れなし

ニッカホーム(愛知県名古屋市)

これがニッカホームのチェックシートだ!

【ポイント1】

現場でよく聞かれる内容を、コンパクトにまとめてすぐ答えられるようにしている。

【ポイント2】

チェック項目は現場調査の動きに合わせた順番で羅列しているので、無駄な動きが発生しない。

【ポイント3】

測る場所が図面と連動していて、新人でもすぐわかる。



部位別で取り回しやすく

水廻りリフォームを多く手掛ける同社。営業と現場管理を兼任する「一貫管理」のシステムを取っており、担当者が現場調査に行く。耐震基準にかかわる工事や増築の場合は、3〜4点に1人程度配置されている施工管理専門の担当者が同行し、2人で行う。

現場調査時は抜け・漏れをなくすため、チェックシートを使っている。3〜4年前に女性のベテラン営業が中心となって監修し、内容を見直し今の形にまとめた。同社が出資する、リフォーム事業を行う上で必要なノウハウを提供するプラットフォーム「センリョク」で同じものを提供している。

チェックシートはトイレ、お風呂、キッチン、洗面台、給湯器など、部位ごとに分かれている。測る箇所をわかりやすく図解しているので、新人でも計測漏れなく調査を行うことができる。

改定前は解説が長かった。例えば、トイレのタオル掛けや手すりをチェックする際、壁に下地が必要な理由を列挙していた。「すべてのシートを1冊にまとめてあったので参考書のような厚みでした」(川本さん)。実務に直接関わらない内容も多く、嵩張っていた説明部分を簡略化。現場ごとに必要なシートだけを持っていけるようにした。

▲現場写真は見ただけでわかるように撮影。巾木はこのように紙を挟んで撮れば、写真を見ただけで入り巾木か付巾木か判別できる。写真の撮り方もOJTで受け継ぐ



指導する社員の負担減

チェックシートは新人全員に使わせている。「先輩社員を楽にすることがチェックシートの狙いの一つです」(川本さん)。

かつては新人が現場調査に行く際、現場ごとに1時間程度時間を取って個別に指導したり、同行したりと、先輩社員の時間を取っていた。チェック項目を端的にまとめたことで、新人がシートを元に一人で現場調査に行けるようになり、指導する社員の負担減に繋がった。また、共通のシートを使うことで、指導者による教育内容のずれが減り、新人間での不公平感もなくなったという。

▲新人研修で全員に現場調査で必要な持ち物を支給する。写真は一例



動画共有で復習にも活用

シートに基づいた現場調査のやり方を撮影し、動画で共有。新人研修に使うほか、YouTubeに限定公開して、社員個人が復習できるよう共有している。動画では、見る部分やスケールの使い方などを、実際に目で見てわかるようにデモンストレーションをしながら解説。キッチン、風呂、洗面所、トイレなどの水廻り、給湯器、内装工事、外壁塗装の動画がある。

▲実際の動画の様子



お話をうかがったのは…

ニッカホーム(愛知県名古屋市)広報 川本和人さん

営業担当と店長を合わせて10年以上のキャリアを持つ。現在は広報、新人教育、「センリョク」スタッフや、リフォームのやり方を解説する四コマ漫画を自費出版するなど、社内外で活躍している。



リフォマガ2022年2月号掲載



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