KURASHIをたのしむVol.19 庭は幸せのエッセンスがいっぱいです!

「お庭は幸せのエッセンスが豊富。四季を通じて小さな幸せをいっぱい感じています」と話すガーデンデザイナーの宮本里美さん。庭のある暮らしの楽しさを多くの人に伝えたいと奔走する。


▲グラスハウス(香川県高松市)代表 ガーデンデザイナー 宮本里美さん

香川県出身。住宅メーカーに就職。2級建築士・インテリアコーディネーターの資格を活かし、家や店舗のデザインとリフォームの仕事に携わる。その後エクステリアも手掛けるようになり、2000年に独立、グラスハウスを設立した。庭のデザインやリフォーム、ワークショップの開催、ガーデンショップも経営する。



庭のある暮らしの虜に

「人が庭を育てているようで、実は人が庭に育てられているんです」。グラスハウス代表でガーデンデザイナーの宮本里美さんは、庭のある暮らしを提案し続けている。

幼い頃から、花に囲まれた暮らしだった。

「母は花が好きで、庭中に花がいっぱい咲いていました。朝起きると、父母が庭で笑っている声が聞こえてきて、幸せ感にあふれていました」。小学6年間はクラスの花壇係。図面を書いて花をセレクトして。将来も庭のある暮らしに憧れたが、仕事にしたいとは思わなかった。

今の職業につながったきっかけは、25年ほど前にBSテレビで見た、世界最大の花の祭典「英国チェルシーフラワーショー」。翌年には本場イギリスに旅立った。ロンドンのヒースロー空港に降り立った際、ヤツデやヒイラギを目にして驚く。「香川のうどん店に植わっている木と同じ。和と洋の区別はないんだ」と思った。

そして初めて眺める日本庭園以外の庭。庭でご飯を食べたり、お茶を楽しんだり、イギリスで見た庭のある暮らしに虜になった。

▲自宅兼オフィス兼ショップの中庭。忙しいので、「手入れしなくても素敵に見える庭にしたい」とあまり手間がかからないグリーンが多い。ワークショップやガーデンパーティー(上)も開く。下は中庭の入り口



日本中を駆け回る日々

そんな宮本さんは、2000年から庭を中心としたデザイナーとして活動し、手掛けた家は2000件以上。「家屋と違い型がなく、自由な発想で仕事ができて面白い。儲けは度外視ですね。毎年海外に行き、その海外の暮らしぶりをワークショップでお話しして、楽しんで続けてこられました」と話す。

ある庭のリフォームの案件で、勝手に住宅の図面も書いて提案したことがある。そのうち家のリフォームも依頼され、部屋から庭が眺められるようにしたことで、顧客にとても喜ばれた。宮本さんは、「庭はインテリアの延長」だと考えている。

コロナ禍前は年2回のイギリスや北欧旅行が恒例だった。時間を作り、師範の免許を持つ茶道を嗜む。

「お茶の世界を知らないと日本庭園は作れないことがわかり、20年以上前から習っています。日本文化は知るほど面白くなります」

今では東京にもオフィスを構え、全国140社の新しい庭づくり事業でデザインを担う。日本中を駆け回る日々だ。

▲オフィスは美しく機能的に!2階は自宅



食べられる植物から始めて

庭のある暮らしを取り入れるには、まず何から始めたらよいか。

「土がある小さなスペースなら、大きくならない木を植えるのを勧めます。例えばジュンベリー、ブルーベリーは可愛い花が咲き、実は食べられます」

「マンション住まいなら、ベランダでハーブを育てて、お茶にしてみたり、ローズマリーの料理を作ったり、食べられる植物から始めると楽しいですよ」とアドバイスする。

庭には五感に訴える力があり、安らぎ、感動、季節感などを与えてくれる。

「お庭のある暮らしは、人間にとっては当たり前で人間らしく生きていける。香りがある、花が咲いた、美しかったと日々変化していくお庭から幸せをもらい、私たちはお庭に育てられています」と宮本さんは語る。

現在、忙しい合間を縫って秋に出版予定の「GARDENS LIFE 3」を執筆中。

「ガーデニングだけでなくお庭から広がる暮らしのエッセンス、料理、ファッション、インテリア、旅と楽しみが尽きることがありません」

▲ショップ。趣味のいいグリーンの鉢や花が並ぶ。植物だけではなく、雑貨やインテリア、小物などセレクトされたアイテムを陳列。「コロナ禍の影響を心配しましたが、お客様が大勢来店しています」



リフォマガ2022年3月号掲載



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