「アートは勇気づけてくれる存在」と語るアートライフスタイリストの住吉さやかさん。部屋にお気に入りの絵画を飾り、アートのある暮らしを楽しむ。アートのもつ魅力や気軽に取り入れるためのヒントを聞いた。
▲Class S interior design(東京都江東区)代表 アートライフスタイリスト インテリアコーディネーター 住吉さやかさん
1978年生まれ。大学卒業後、グラフィックデザイナーとして働きながらインテリアスクールに通う。その後住宅メーカーに入社し、新築戸建てのインテリアを3年間で約100件担当。2018年7月に独立し、Class S interior designを設立。アートをトータルコーディネートの一環として提案する。アートのある暮らしを広めるための講師活動も行う。
※アートライフスタイリストとは?
アートライフの楽しさを知ってもらう活動や、アートライフを始めたい人をサポートする人材を育成するアートのある暮らし協会が設立した民間資格制度。「アートの力」を知ったうえでトータルコーディネートを提案できるようになる。同協会ではアートを購入したいと考える人にカウンセリングを行い、おすすめのアートを提案するサービスを行っている。
アートを自己表現やコミュニケーションツールに
アートを取り入れトータルコーディネートするインテリアコーディネーターの住吉さやかさんは、独立して4年目。休む暇もない忙しい日々を送る。
「アートを学んだことが独立を後押ししてくれました。自らがアートのある暮らしを始めたことで、新しいことにチャレンジする楽しさを知ることが出来ました。初めて買った作品を見るたびに、当時を思い出し勇気をもらっています」と話す。
住吉さんは、絵画やオブジェといったアートを「自分らしい暮らしを実現するキーアイテム」と捉え、インテリアのトータルコーディネートの一環としてアートまで含めた提案をしているほか、アートのある暮らしを広めるための講師活動も行う。
「アートは、お部屋を華やかにするだけでなく、住む人の個性を表現したり、導いてくれたりし、アート自体が自己表現になります。例えば、クスッと笑えるアートを飾っていれば、楽しいことを見つけるのが好き、人生を笑って過ごしたい、という気持ちが伝わりますよね。また家族のコミュニケーションが増えたり、ストレスを和らげたり、心も整える効果があります」
ポスターと違いアーティストが生み出した作品、特に実際に描かれた作品には深みがあり、光の当たり方や自分の気分、昼・夜など見る状況によって、異なる表情を楽しめる。
まずはアートフェア参加を
アート初心者には、まず展示即売会などでアートに触れるのが良いと話す。
「どんなアートを買っていいかわからないという方は『アートフェア』に行くことをお勧めします。優良ギャラリーがたくさん集まり、今一押しの作品を展示しているので、見て回っているだけでも楽しめます。初めてアートを購入するのであれば、予算5万円程度で探してみてはいかがでしょうか?」
毎年各地で開催される「アートフェア」は、規模が様々で、ギャラリーのみが出展できる展示販売。また、近くのギャラリーやデパートの美術画廊を覗くのもお勧めだという。まずはネットで情報収集して、実際に見て決めてもいいそう。
飾る際は、絵の中心が目線に入る高さに。
「立って見ることが多い場所では床から150㎝、座って見る場所では120㎝を基準に、家具などのレイアウトに合わせて調整してみてください」
「小さい作品を飾る場合、額装することで大きく見せることもできて、バランスが整います」とアドバイスする。
▲笠井 遥「風」 自宅の仕事部屋は爽やかな印象に
自宅には中島麦さんの作品
アートライフスタイリストになったきっかけは、6年前、勤めていた住宅メーカーの展示場のインテリアを任されたこと。なんの知識もない状態で一からアートも用意することになった。「何をどこで探していいかわからない」ため、アートのある暮らし協会で2時間の講座を受ける。「そうしたら面白くって、もっとアートに詳しくなりたいと思いました。それに私のようにアート選びに困っている人も多いだろうと考えました」と住吉さん。
顧客からは「絵を飾ってから生活にゆとりができた気がする(事例1)」
▲事例1 宇宙を表したアート。「飾るだけで雰囲気を一段上げてくれる感じ(お客様のコメント)」 Mayumi Inuzuka「星めぐり」
「アートは生活に不要なものだと思っていたが、実際に飾ってみるとその大切さがよくわかった(事例2)」と嬉しい声が届く。
▲事例2 リビングダイニングの主役は、注文して制作してもらったアート 橘川裕輔「THE BUG-TWILIGHT」
自宅の部屋には、3月に開かれた「アートフェア東京」で購入した中島麦さんの「multi」を飾っている。展示場の仕事で初めて買った絵画が中島さんの作品だった。「特別な思い入れがあるアーティスト。考え方や進化していく中島さんに魅力を感じます」と住吉さん自身もアートのある暮らしを満喫している。
▲中島麦「multi_LD_2021_S6_03」 リビングを彩る鮮やかなアート
リフォマガ2021年11月号掲載
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