顧客満足度満点営業の秘密ノウハウ徹底習得!
新規顧客獲得のコストや難易度が上がっている今、リピート受注を得る重要性は増している。また、リフォーム仲介サイトでは、竣工後の口コミの評点が新規顧客獲得の数を如実に左右する。OBからの評価が高いリフォーム会社5社に取材をし、商談、施工、アフターといったシーンにおける、全社的な取り組みから個人の営業スタイルまで、顧客満足度アップのための様々な手法を取り上げる。
ひとさじの気遣いを積み上げて予想を超える高満足度を実現!
少しの工夫で空間を劇的に変える「ひとさじリッチリフォーム」を提唱する光テックの夕部美子さん。その”ひとさじ”は、実はデザインに留まらない。気軽にLINEで連絡できる距離感づくり、TPOに合わせつつ服装で楽しんでもらうなど、小さな心配りを積み重ね、顧客の心をしっかりと掴んでいるのだ。
常に施主目線に立ち痒い所に手が届く対応
「竣工した時に、『こんなになったんや!』って驚きを与えたい」と話す夕部さん。そのため夕部さんは、ことさらにデザインをアピールして、事前にハードルを上げ過ぎないようにしている。
「ホームページでも特定のテイストは押し出さず、北欧も和もアメリカンもなんでもあり。何となくおしゃれになりそうと依頼してもらうぐらいがちょうどいい」。最終的に「予想より良くなった」と感じてもらうことが、顧客満足度を最も高めると考えている。
デザインは事例集やカタログなどから、好みのスタイルや色柄を選んでもらい、後はお任せで夕部さんがトータルデザインする施主参加型のスタイル。「この形が一番良くまとまります」。
初対面でLINEやメールアドレスを交換し、いつでも気軽にコンタクトを取れる環境づくりもする。連絡が来たら基本的に3分以内に返信。「気になっているから連絡が来るわけで、すぐに解消してあげたいんです」。即座にはわからないことも「明日確認してお返事します」と一言返す。「対応早いですね」などと言われ、施主の信頼を得られるという。
打ち合わせ時の服装は、TPOに合わせてスタイリッシュに決めていくことが多い。さらに、見て楽しんでもらうことも意識する。例えば、ショールーム全体のイメージや、目当てのキッチンに色を合わせたファッションでショールームに同行することも。言葉にせずとも服装で、リフォームに対する想いを伝えることもできる。
請求書にも手書きで一言添えるなど、少しの気持ちをのせる。ある時、「その後いかがですか」と春らしいハガキを選んで送ったら、とても喜んでくれたこともあった。
「常にひとさじの思いやりを持つことを心掛けています。一方でお友達になりすぎないという距離感も大事にしています」。
程よい距離感で、痒い所に手が届く対応をし、楽しんでもらうための遊び心もプラス。それが夕部さん流営業術なのだ。
【手法1】目当ての商材と服装を揃えてショールームに登場
空間にマッチする色で全身コーディネート
▲目当てのくすみブルーのキッチンに、トップスやマスクまで色を合わせた夕部さん。単純に「同じ色だ!」と面白がってもらえ、施主に対する気持ちも伝わる。
▲靴を脱いで上がるシーンも多いので、靴下も印象に残りやすく、帰りがけに「可愛い」「面白い」などとよく言われるそう。
【手法2】施主が色・柄をチョイスし、後はお任せの半々スタイル
要望と提案が融合し顧客満足度が最も高まる
「ひとさじリッチリフォーム」の小冊子(下)と、豊富に揃う事例集(上)。ここから好きなテイストを、メーカーカタログから色柄を選んでもらい、施主の好みを把握。その色柄を取り入れつつ、夕部さんがトータルでまとめていく。楽しく参加してもらいながら、最終形で驚きももたらせる手法だ。
【手法3】施主の大切なものを際立たせる場をつくる
施主の想いを汲んだ提案で満足度がさらにUP!
施主の想いを汲んだ提案が大事という夕部さん。写真の事例は海がテーマのリノベーション。ビーチコーミングが趣味のご主人がつくった物がたくさんしまわれていたので、家中に飾れる場を設けた。他にも、現調時、暗い部屋にさりげなく飾ってあった絵にスポットを当てたリフォームも予定している。
お話をうかがったのは…
光テック(高知県高知市)取締役 夕部美子さん
国際デザインカレッジを卒業し、設計事務所に勤務し3年間建築意匠デザインを学んだのち、光テックに入社。お金をかけなくてもちょっとの工夫で空間が劇的に生まれ変わる「ひとさじリッチリフォーム」を提唱する。
リフォマガ2021年7月号掲載
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