専門店に学ぶ窓廻りの提案術~デコラドール~

リフォームの完成度を大きく左右する窓廻りのコーディネート。顧客自身でカーテンを購入するよりも、プロとしてインテリアや内装、施主の暮らしに合わせてベストな窓廻りを提案出来るようになれば、リフォーム後の満足度もさらにアップ!窓廻りをグレードアップする提案術を知識と実績に長ける専門店から学んでいこう。


この方に聞きました

デコラドール(東京都港区)丸山雅郎さん、丸山千里さん

南青山に店舗を構え、ヨーロッパ各国の輸入生地を取り扱うオーダーカーテン専門店を夫婦で営む。デザイナーの丸山千里さんは、カナダ留学後外資系企業に10年間勤務。在籍中にミサワインテリアスクールにてインテリア全般を学び、退職後はイギリスでインテリアデザインを学ぶ。帰国後都内のオーダーカーテン・インテリア専門店2社で経験を積み2008年に独立。個人邸や商業施設、大使館やテレビ・舞台芸術等の実績が多数ある。



”カーテンの世界は広い”
顧客の上を行く商品知識で選択肢を増やそう

家は高級でも窓廻りはチープな日本の住宅

「日本では、高級の住まいにチープなカーテンを取り付けるというアンバランスな暮らしをしているユーザーが多いように感じます」と話すのは、南青山でオーダーカーテンの専門店を営む丸山雅郎さんとデザイナーの丸山千里さんだ。

同社が取り扱うのは、ヨーロッパを中心とした各国の輸入ファブリックだ。日本のカーテンは機能性が追い求められがちだが、海外は天然素材の生地で趣向をこらしたデザインや刺繍など手間暇をかけたものが多く、そこに必要な機能を足していくという考えが主。

「以前お客様から、窓を開けても隣の家の壁があるだけだからカーテンは要らないと言われた事がありますが、窓越しにシャッターを眺めて居心地は良いでしょうか?もっとカーテンを室内空間が豊かになる装飾アイテムとして捉え、好きな色や柄で窓廻りを居心地のよいものにしてもらいたいと考えています」(丸山雅郎さん)

カーテンはインテリアの中でも特殊で商品は1から10まである奥深い世界だ。営業担当者個人で、専門店レベルまで知識を深める事が難しい場合は、同社のような専門店と協業する事も顧客の選択肢を拡げ満足度を高める1つの策だ。



事例1 電動の調光スクリーンで快適&操作性がアップ

高層マンションに住むお宅で提案したのは、モダンでシンプル、シャープなデザインの調光ロールスクリーン「FUGA」。

「このお宅では、電動タイプを採用しています。手動タイプから+2~3万円のコストで電動タイプにする事が出来、一時よりお求めやすくなりました。スタイリッシュでメカものが好きな男性の方には特に人気です」

ソファに座りながらリモコンで開閉する事が出来、快適。設計の際は、ソファに座ってテレビを観た際に、どこから光が入ってくるかを計算。また遮光タイプの2台連窓を選んだため、隙間から差し込む光が強く感じる事なども事前に伝える事が大切という。


使用しているスクリーンはこれ!

『FUGA(フーガ)』はWIS(広島県)オリジナルの3D調光ロールスクリーン。2枚のレース生地と1枚のドレープ生地の3層構造のため採光とプライバシーのコントロールが1台で可能。採光・遮光タイプに加えてデザインシリーズなど、ラインナップも豊富。

▲調光ロールスクリーンなので、開閉した際に溜まりが出来ずスタイリッシュになるのがメリット。電源コードはカーテンボックスの中に入れ露出させないよう配慮している。



事例2 3連窓にバランスで一体感2重レースで防犯性もアップ

窓廻りのコーディネートは部屋の印象をガラッと変える重要な部分。この事例は、3連窓が特長的な部屋。ローマンシェードをそれぞれ取り付けるだけでもよかったが、装飾バランスを3連窓全体に取り付ける事で窓廻りに一体感をもたらした。トリムやバランスのデザインも1からオーダーで制作したもので、顧客満足度の高いコーディネート事例。

▲シェードの生地はイギリスのZOFFANY社のもの。麻に植物と小鳥をモチーフにした刺繍が印象的で、麻の生地ならではの透け感も楽しめる。施主と何度も打ち合わせを重ねながら、生地を選んでいったそうだ。

▲シェードの裾にはガラスビーズのトリムを付けて。

▲装飾用の刺繍カーテンとミラーカーテンのW使い。

▲上下にアクセントカラーのブラウンを。リムを付けてお洒落に。



事例3 無地の生地も2色使いで値段ありきの競争を回避

柄を使わない無地のカーテンでも、1本ラインを入れるだけで、高級感がアップ。

「予算の問題でリーズナブルな生地しか使えない場合でも、2色使いするだけで、お洒落な印象になります。値段ありきの競争になってしまいがちですが、限られた予算の中で最大限お洒落にしてあげる提案はとても大切だと思います。」(丸山千里さん)

好きな柄や異なる色のカーテン生地を組み合わせられるサービスは、サンゲツや東リなど様々なメーカーで提供されているので、一度挑戦してみよう。

▲空間全体を落ち着きのある黄色と紫の無地カーテンでコーディネート。

▲和室空間は、紫のカーテンをメーンにしてタッセルを黄色に。色を反転させるだけで空間のアクセントになる。

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