[大工] 田名網 賢さん (35歳)
リフォームの営業担当者にとって、 熟練の職人さんは大切なパート ナー。今回登場するのは宮大工の修行をし、若くして確かな技術を修得した大工、田名網賢さんだ。
宮大工の修行で取得した 卓越した技術
独立する前、宮大工として7年間修行を積んだ田名網賢さん。「宮大工と普通の工務店が違うのは、職人としての心構えかな。神社仏閣は千年保つものを作らないといけないので、工期を焦ってはいけないんです。徹底した仕事を要求されます」と話す。宮大工として一生に何回も経験できないことを体験してきた。その一つが鐘楼の建立だ。鐘楼は壁がなく、4本の柱だけで建物を支える。しかも、柱は斜めに立っている。田名網さんはそうした鐘楼の建立を、柱を削りだすところから経験できた。 20 歳の時に出場した栃木県の技能競技大会では、当時の最年少、最高得点で優勝したほどの実力の持ち主だ。
世間知らずで苦しんだ独立時 武井正浩さんとの出会い
25歳の時に独立したが、最初の1年は辛かった。「仕事も取れないし、安くやってあげると言ってくれた業者が、実はすごく高い値段をつけていたりしました。工賃を払ってもらえないこともあった。結局、自分が世間を知らなかったのです」2年目からは大手リフォーム会社の下請けを一通り経験し、リフォームのノウハウを吸収。3年目に出会ったのが、ライフプランの専務取締役の武井正浩さんだった。「武井さんは職人にお金を払っている立場なのに、誰よりも腰が低い。そんな人、下請けをしていて初めてでした。そういう人は職人も助けたくなっちゃいますよね。なるほど、自分も武井さんの真似をしようと思いました」
現在、田名網さんの工務店は軌道に乗り、下請けの仕事は武井さんからしか受けていない。「武井さんは『お金の面で何かあったら言ってね』と言ってくれます。リフォームは想定外の経費がかかることもある。その一言で職人は安心できるんですよ」田名網さんが武井さんを尊敬しているもう一つの理由は、「何かを決める時に必ず職人に相談してくれること」。お客の要望を優先すると却って工事が滞ることもある。お客様第一は当たり前だが、職人も第一に考えて、仕事がしやすいように配慮してくれることに感謝している。
▲大工だった田名網さんの父親が愛用してい た玄能。龍と虎が彫ってある「。龍虎の玄能と言って、昔の大工は持っている人が多かったですね。玄能は平らな面と膨らんでいる面があって、最初は平らな面で釘の頭を打ち、最後に膨らんだ面で打って頭を沈める。持ち手の反り具合から、どっちの面で打っているのか、手元を見なくてもわかります」(田名網さん)
▲田名網さんが大事にしている「突き鑿」(上の2本)。上から3本目が父親の玄能、4本目が、現在田名網さんが使っている玄能
▲木材をカットして「ほぞ」を作る。 下の写真はカット後の木材。細かな注文に対応するため、自社で木材を加工している
推薦の言葉
ヒタチ設備 代表取締役社長
ライフプラン 専務取締役 武井 正浩さん
スグル君は、全てを兼ね備えた人間国宝級の大工さん!推薦はするけれど…あまり皆に知られたくない私だけの、大工さんであってほしいな(笑)。 若くして独立し、腕も一流ですが、同じ経営者としても尊敬しますね!年は下なのですが、現場では頼りになる兄貴分!出会ったばかりの頃は、私に建築知識が無かったので細かく丁寧に教えて頂きました。だから、優しさも◎! 仕事は丁寧だけど作業は速い。無駄がないし、とにかく現場が綺麗!お施主様と私で、スグル君の手さばき・動きに『凄いな ~』って惚れ惚れし見ていて感動するんですよ! 生まれ持ったセンスと技術力。 そこに惜しまない努力と向上心!もう言うことなしです。
田名網さんからリフォーム営業担当者にメッセージ
「こうしてもらうと助かるなぁ」
10時と3時のお茶出しを断ってくれると助かりますね。リフォームは狭い部屋に職人が入れ代わりに入るので同時に休めません。「アイス、買ってきたからどうぞ」と用意していただいてしまうと、全員が手を止めることになります。実はお茶出しがない方が、リフォームの現場はやりやすいし、作業も進みます。他にもなるべく現場調査に行かなくても、見積もりが出せるようにしてくれると助かります。見積もりを出しても工事が決まるのは約3割。1回の現調で半日かかるので、決まらなかったら無駄になります。武井さんは難しい工事の時以外はこちらに現調を依頼しません。その代わりに現場の写真を撮影し、寸法なども細かく伝えてくれます。しかも、「あ、ここの写真が撮ってあれば大丈夫」というポイントがしっかり押さえてあるので、助かっています。
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