1億円プレーヤーに学ぶ 現場がうまく回る営業術①

▲リライト(滋賀県草津市)馬杉 充宏店長(41)

~プロフィール~

建築業界で職人として4年間働いたのちに、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。その後ニュージーランドに渡り、ツアーガイドを務める。その傍らアルバイトで外構工事を行い、リフォームに関心を持つ。リフォーム営業歴9年。直近1年間の売り上げは1億3800万円。現在41歳。


海外での接客経験をリフォーム営業に活かす

今回紹介するのは、リライト(滋賀県草津市)の馬杉充宏さん。直近1年間のリフォーム売り上げは1億3800万円だ。同社は、馬杉さんともう1人の営業マンの二人で年間2億円を売り上げている。軽妙なトークで親しみやすい馬杉さんだが、「昔は人と話すのが嫌いだった」という。転機になったのは、ニュージーランドでツアーガイドとして働いたことだった。


「NOと言わない」がモットー

当時の上司から人と接する楽しさを学んだ。「お客様に対してNOと言わない人でした。NOと言うのではなく、解決策を作る。トラブルへの対応力を学び、人と接することは楽しいと思うようになりました」。現在も顧客に対してNOと言わないことが馬杉さんのモットーになっている。

ツアーガイド時代に接客のいろはを学んだと馬杉さんは振り返る。「集合時間だからこっちに来てくださいと言っても、おじいちゃんおばあちゃんは動いてくれない。バスに乗っていただいてもよろしいですか?と誘導すると、気持ちよく動いてくれます。今もお客様に対して命令は絶対にしません」。主導権を握るのではなく、施主が主体的に動けるよう同じ目線で提案している。

実は、それ以前には建築業界で職人として4年間働いていた馬杉さん。ガイドをしながら、アルバイトで外構やガーデニングの工事をしていた。その際にニュージーランドの人々が、自分たちで家に手を加えながら大事にしている姿を目の当たりにする。「建て替える文化がなくて、自分でペンキを塗り直して綺麗にして売る。中古車センターのように中古家センターがあるんですよ。壊すのではなく再利用する文化が面白いと思い、リフォームに興味を持ちました」


▲基本的に打ち合わせは来店してもらい、効率化している。ほかのリフォーム会社とは異なる印象を持たせる。店舗の入り口では大きな恐竜の人形がお出迎え。




1億円プレーヤーに学ぶ 現場がうまく回る営業術

Technique1
案件を見極める!適度にドライな関係を保つ

「お客様を追わないスタンスでやっています。見積もりだけ欲しいというお客様に対して、説明もさせてください!と言いがちですが、基本的に見積もりだけ渡します」ユーザーからも気軽に問い合わせてもらい、見込みがないと判断した際には失注する。安くしたり、下手に出ずに対等な関係を築くことでクレームが少ないという


Technique2
営業・職人・施主と良い雰囲気づくりを

自社職人がいる同社。監督という立場ではなく、同じ職人として外部の職人と現場で一緒に作業することで「一緒に汗を流して作業してくれるから」とほかの職人たちが協力的になるという。「現場に来なくても大丈夫ですよと言ってくれます。任せることができるので効率良く動くことができます」。

職人と施主の間には営業が入り、職人の意見と施主の要望のバランスをとっている


Technique3
わかりやすい言葉づかいを時には絵で説明することも

「専門用語を使いすぎず、わかりづらいときは絵を描いて伝えたりしています」これもガイド時代の経験が生かされている。「バスの運転手とわかりやすい英語を使って会話をすることで、英語のわからないお客様も間に入ることができて喜んでもらえました」


Technique4
深層心理を引き出す

「お客さんが何を求めているのか、どんな弱みやコンプレックスを抱いているのか本音を聞き出すようにしています」例えば、外壁塗装をしたいという施主の話を深く聞いていくと、周りの家よりも自分の家が汚くて恥ずかしい思いをしていることがわかる。その際には外壁だけでなく、玄関を変える提案もする




ニュージーランドでの経験が仕事の糧に

▲ニュージーランドではツアーガイドをしていた。当時の経験が現在の接客に生かされている


▲ニュージーランドにいた頃、ムエタイの選手としてデビューして試合にも出ていた。現在は家族と過ごす休日が仕事のモチベーションだ


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