いちから学ぶ現場調査~戸建て住宅の調査はここに注意~

PART3 戸建て住宅の調査はここに注意

PART2で述べたように、一見同じように見える戸建ての建物でも、実はさまざまな構造や工法で建てられている。構造や工法によって受ける制限を考慮しながら現地調査を行うようにしたい。PART3では主に代表的な木造軸組み工法について、現地調査時に確認したいポイントを押さえよう。


【木造軸組み構造の場合の注意点】



☆1必要あれば天井点検口から柱や梁をチェック

間取り変更で、柱や壁の撤去が必要になる場合は設計士による柱や梁の構造チェックを。抜ける柱かどうかを梁のかかり方などで判断するためだ。梁で補強をして柱を抜くなどの方法を検討する。天井点検口は和室の押し入れ天袋やクローゼット内部など、目立たない場所にある。特に2階部分を支えている1階の柱抜きは慎重に。


☆2フローリングの貼り方向に注意

間仕切り壁を撤去したあとの床をどう仕上げるかによって見積もり金額に大きく差がでる。費用をかけたくないからと、間仕切り壁撤去跡を「見切り材で埋めるだけでいい」と言われることがよくある。2部屋を一部屋にする場合は既存フローリングの貼り方向に注意しよう。方向が違うと違和感があるため、やはり貼りかえればよかったということになりかねないからだ。


☆3建物の歪みをチェックしよう

レーザーで水平と垂直方向の歪みを確認しよう。垂直方向は、柱や壁のコーナー、建具枠にレーザーを当てるとわかりやすい。

築年数が経つとある程度の歪みは生じているものだが、大きな歪みがある場合は要注意。新しい壁は建物が歪んでいても垂直に立てるため、建具や巾木と水平垂直にならず、クレームになりかねない。現地調査時に施主立ち合いでレーザーでの確認をして、不都合がある場合は対策を話し合おう。



☆4“吹き抜けの床貼り”など法規に係る工事に注意

吹き抜けに床を造作することは、床面積が増えるため容積率の確認等、設計上の判断が必要になるので注意しよう。

構造上の検討はもちろんのこと、「増床」して容積率をオーバーしないか、確認申請を出す必要はないかの確認作業からスタートすることになる。防火、準防火地域では10㎡未満でも申請が必要だ。


容積率とは?

容積率は、敷地面積に対する延床面積(すべての階の床面積を合算)の割合。建物が建つ場所により容積率の上限が定められ、超過することはできない。





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