いちから学ぶ現場調査~マンションの調査はここに注意~

Part4 マンションの調査はここに注意

マンションではそれぞれ独自のルールがあり、リフォームについてもマンションごとの決まりがある。例えば床の防音性能基準や設備機器の移動の制限など。間取り変更工事に伴ってテレビ配線を増やしたい、インターホンの位置を変更したいなど、起こりうる問題は事前に規約を確認しよう。

壁は手をグーにしてドンドン。
天井はコンベックスを伸ばしてトントン。

低層に多い壁構造のマンションでは同じ壁面でも途中までコンクリート、途中から木軸の壁になっている壁が多い。手をグーにして、ドンドンと音が出るまでたたいて確認しよう。撤去予定の建具の上も忘れずに叩こう。上のイラストのようなラーメン構造のマンションでも、間仕切り壁の外壁近くに一部コンクリートが入っていることもあるので図面と照合しながら確認しよう。

また、天井はコンンベックスを伸ばしてトントンと叩こう。硬ければコンクリートスラブにクロス直貼り。空洞があるならコンクリートスラブに下地組をして石膏ボード+クロス貼りと考えられる。(天井は電気配線を通すため、直天井は少ない)


☆1 和室の畳を上げて下地を確認

マンションの間仕切り変更では和室とリビングを一体化する工事が多いが、その場合は必ず畳を上げて下地を確認しよう。

直床のマンションではコンクリートスラブの上に畳が敷いてあることが一般的。和室には畳を敷くためコンクリートの上にモルタル仕上げをしていないことも多い。そのままフローリングを貼れないので、モルタルで平らに仕上げる不陸調整が必要となる。また2重床のマンションでは発泡スチロールを使った高機能断熱材などが下地材として使われている。フローリングにする際は床高を調整する必要がある。


☆2 2部屋を一部屋にする場合、天井高に注意

間仕切り壁を撤去した後に天井に段差が生じることがある。2部屋の天井高が異なるからだ。現場調査時に両方の天井の高さを必ず確認しよう。天井を作り直すかどうかで金額が大きく変わる。


☆3 換気扇のダクトの通り道

換気扇のダクトがどこを通っているか、必要があれば確認しよう。まれに和室の天井裏を通っていることがある。リビングと和室を一体化しようとしたら和室天井裏からキッチン換気扇のダクトが出てきたということもある。ベランダや通路壁のベンドキャップを確認することで通り道を推定できるが、管理センターで図面をコピーする時に、換気設備図面もコピーすると良い。


☆4 床が直床か二重床か確認する

間仕切り変更には床の貼り換えや補修が必要となる。床材の選定をするには管理規約の確認と、床構造の確認が必要だ。

\ここにも注意/

水回りの移動計画がある場合は、特に床構造の確認が重要だ。排水管の勾配を取るために床下に空間が必要となるため、床とコンクリートスラブの間に空間がある二重床は、比較的移動しやすい。直床は床下の空間を作るために床段差をつける場合もあるが、基本的に移動しにくい。




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