構造・工法により間取り変更の難易度が違う
建物の構造は大きく分けると木造(W造)、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)に分類される。またその中でも更に分類していくと、実にさまざまな工法の建物が存在していることがわかる。重要なことは、建物構造によって間取り変更工事の難易度が違うということだ。現地調査に臨む前に、まずは建物の主な構造・工法を確認しよう。
【戸建て住宅の構造と主な工法の特徴】
構造① 木造(W造)
・軸組み工法
一般に在来工法と呼ばれ、柱と梁(はり)、土台を木の軸組で構成する工法。間仕切り変更は比較的しやすいが、柱や梁や筋交いの撤去は設計者を交えて慎重に。
・壁式工法
2×4工法に代表される壁構造の建物。面で構成されているため耐震性能に優れているが、リフォームでは厳密なルールに則って行う必要があり、壁をいじるような工事は構造計算を要し、容易ではない。
・ラーメン工法
柱と梁を緊結して強度を高めることで耐力壁を設けず、大空間を実現できる。木造3階建も多い。間仕切り変更しやすい。
構造② 鉄骨造(S造)
・軸組み工法
軽量鉄骨軸組工法は軽量形鋼材で柱・梁・土台等の架構をつくる工法。木造軸組み工法同様にリフォームしやすいが、柱やブレース(筋交いの役割)を外すことはNG。
・ラーメン工法
重量鉄骨の柱と梁を緊結し接合部を固める工法。大空間を確保できる。内部の間仕切り変更も容易。
構造③ 鉄筋コンクリート造(RC造)
・壁式工法
柱や梁がないためすっきりとしているが、壁面で建物を支えているためコンクリート壁を壊すことはできない。どこまで構造壁なのかは叩いた時の音でわかる。
・ラーメン工法
鉄筋コンクリートの柱と梁で構成され、耐力壁を設けないため、間仕切り変更しやすい。
※プレハブ工法は、工場であらかじめ部材を加工して現場作業の効率化を図ったもの。木質系では木質パネル、鉄骨系では軽量鉄骨、ユニット系では鉄骨ユニットや2×4ユニット、コンクリート系ではプレキャストコンクリートがある。間取り変更では各々制約があるので注意しよう。
マンションの構造と工法の特徴
【軸組構造】
●鉄筋コンクリート造
●鉄骨造
●鉄骨鉄筋コンクリート造
【壁式構造】
低層マンションに多い。柱型、梁型はないが、撤去できない耐力壁があり、間取り変更は耐力壁を避ける必要がある。
【ラーメン構造】
中高層マンションに多いのはラーメン構造。柱型や梁型が室内に出てくるが、内部の間取り変更はしやすい。
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