【設備・建材基礎知識】使いやすく手入れしやすい造作洗面台づくりのポイント

洗面台を造作する上での基本的な注意点を押さえておこう。

天板は手入れのしやすさを考慮

造作洗面台の天板の素材には集成材、人工大理石、メラミンなどがある。

木の質感が味わえる点で人気があるのが集成材。現場で間口や納まりに合わせて加工でき、価格も安い。ただし集成材はそのままの状態では水で変色したり、腐食するため、塗装が必要。塗装後も、濡れたらすぐに拭きとるなど、日常の手入れには若干手間がかかる。

メラミン、人工大理石は集成材より価格は高いが、耐水性が高く、手入れが簡単。水まわりにも安心して使える。

タイルは実物を確認

天板や壁としてタイルも用いられる。タイルには磁器、ガラス、天然石などがあり、デザインも豊富。カタログで見るのと実際の雰囲気とが異なる場合があるため、サンプルで確認しておくと安心だ。

タイル自体は水に強く、手入れもしやすいが、目地はカビが生えやすい。水まわりに適した、カビが生えにくい目地を使用すれば、長期に渡って清潔さが保てる。

ボウルと水栓は水ハネに注意

ベッセルタイプはボウル自体のデザインが楽しめ、おしゃれな空間が演出できる一方で、使い方によっては水ハネしやすく、天板とボウルの継ぎ目に汚れがつきやすい。

また、ボウルを選ぶときは、大きさや深さが重要となる。洗濯したり、子どもも使用する場合は、大きく深さがあるボウルを選びたい。水栓の根元の汚れが気になる場合は、水栓を壁付けにする方法もある。 また、ボウルと水栓の組み合わせが悪ければ水ハネすることも。メーカーが推薦している組み合わせを選択すれば、水ハネが防げ、見た目の統一感もある。

照明は目的に合わせて

洗面台でメイクをする場合は、照明は白色とし、顔に影ができないよう上下や左右に付けるとよい。より自然光に近い高演色タイプのLEDもおすすめ。

また洗面室が脱衣所を兼ねている場合は、湿気が多く、長期間の使用でミラーが腐食することもある。ミラーや照明には防湿型を選んでおくと安心だ。


【提案時の注意点】

優先順位を明確にして毎日を快適に

最近リフォームにおいて、造作洗面台の人気が高まっています。おしゃれ、部屋のインテリアに合わせられる、間取りに応じて寸法を合わせられる、など様々なメリットがあります。ただ、当然ながらデメリットもあるのです。造作洗面台は、ミラー、洗面ボウル、水栓など、複数のパーツを別々に選ぶため、水はねがひどい、鏡が見にくい、照明の位置が適切でない等の問題が起こることがあります。

素材、メンテナス性、寸法、動線、収納などトータルでチェックすることが重要です。毎日使う場所だからこそ、優先順位を明確にして、デザインと機能性のバランスの良い造作洗面台を目指しましょう。


【洗面台を造作するときのポイント】

◆集成材は濡れたままにしない

◆メラミン・人大は水に強い

◆タイルは実物を確認

◆タイルの目地は水まわり用の防カビタイプもある

◆大きく深いボウルは水ハネしにくい

◆メイクするなら照明は白色を

◆湿気が多い場合は照明やミラーに防湿型を選ぶ


【造作洗面台の建材いろいろ】


【プロの視点】使いやすいオープン収納 扉付きや引き出しは干渉に注意

洗面台の収納は、まず収納したいものをリストアップし、どこに何を収納するかを決めるとつくりやすい。

オープン収納は、収納するものの大きさや量に合わせて効率的に収納でき、サッと取り出せて使いやすい。湿気が溜まりにくいなどのメリットもある。ただし、収めているものが丸見えとなるため、上手く片付けないとごちゃごちゃした印象に。また、小さな子どもがいる場合は、手に届く位置に洗剤などの危険なものを置かないよう注意が必要だ。

扉付き収納や引き出し収納は、中身が隠せるため生活感が出にくく、来客時にも安心。設置時は扉や引き出しが洗面室のドア枠などに干渉しないよう注意しよう。


年間購読(毎月15日発行・購読料8,800円)のお申込はコチラ

バックナンバーのご購入はコチラ

リフォマガのご案内はコチラ

リフォマガ

『リフォマガ』は、株式会社リフォーム産業新聞社が発行する現場担当者向けの情報誌です。 リフォーム営業マンに役立つ営業テク、現場調査の方法、商品情報を発信します。 雑誌『リフォマガ』は毎月15日に発行。年間購読料8,800円。(税込・送料込)

0コメント

  • 1000 / 1000